第5話 「デジタル君との付き合いに、悩んでいます」「デジタル君?」「デジタル君って、You Tubeとか、TikTok、LINEとかのことだよ?」あ、それか!

 お付き合いの、悩み?

 それって、恋愛相談なのかい?

 「私は、フウナ、だよ」

 「そっか、フウナちゃんって、いうんだ」

 「うん」

 その日、相談にきた子の名前は、フウナ。この子悩みに、ドキリ。

 「皆が、悩んでいるんだねえ」

 「じゃあ、私も、そうだんして良いよね?」

 「もちろん!」

 悩む子は、悩みを打ち明けて良いのか悩んでいるところに、特徴があったのかもしれないねえ。

 「私は、ヒナって、いいます」

 「ヒナ、お姉ちゃん?」

 「そうですよ?」

 「そっか」

 やっと、安心できそうな会話になってきた。

 「ヒナも、フウナちゃんも、同じナで終わるから、似ていたね?」

 こうして、もっと、安心させていく。

 悩み相談のコミュニケーションも、難しい。

 「じゃあ、私も、おばちゃんみたいに、なっちゃうのかな?」

 「おばちゃんって…」

 あはは。

 気を付けよう。

 今どきの子は、はっきり、ぐさっと突いてくるよね?

 「…あの」

 「何ですか、おばちゃん?」

 「…く。フウナちゃんは、お付き合いの悩みをもっていたんですよね?」

 「うん」

 「今、どんな子とお付き合いをしているんですか?」

 「デジタル」

 私の頭、ハテナ、ハテナ。

 「デジタル?」

 「お姉さんには、デジタルとか、わからないんですか?」

 「…」

 「私、デジタルを、このまま好きになれるかわかりません」

 おー…。

 「デジタルって、こまった相手なんだよ?」

 おー…。

 「どうやって付き合っていったら、良いんですか?」

 「デジタルって、どういう子なのかな?」

 「あのね?」

 「何でしょう。フウナちゃん?」

 「デジタルって、YouTubeとか、TikTok、LINEとかのことだよ?」

 うっわ!

 なるほどね。

 私、勘違いしていました。

 デジタル君…。

 そうか、デジタルかあ。

 私って、だっさ!





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