同級生

まりも

第1話

今日の私は、年がいもなく朝からウキウキしている。なぜなら、月に一度の理髪店に行く日だからだ。


プロの手で、髪を整えてもらうというのは、やはり気持ちのいいものだ。


今年七十歳になる私は、故郷の大阪で一人暮らしの気楽さを楽しみながら、毎日を過ごしている。

 

転勤の多い仕事に就いたため、退職を機に故郷の大阪に戻ってきた。


大学進学のために東京に移り、結婚は、東京に遊びに来ていた後輩と再会したのをきっかけに、ゴールインした。私の仕事が転勤が多いことと、妻の父親が病気になったために、結婚生活のほとんどは単身赴任することになった。


退職後は、できるかぎり埋め合わせをするつもりだった。


ところが、


六五歳になり、定年を迎え、大阪に帰って来た私を待っていたのは、予想もしない結末だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る