ななから
中田 浩也
プロローグ
「キャーーーーーッ」
草木も眠る丑三つ時。闇夜を切り裂くような叫び声に俺は飛び起きた。
「な、なんだ!?」
一体何が起きたというのだ。俺は自分が寝ていた物置のような部屋から廊下に出た。そして様子をうかがいながら真っ暗な廊下を叫び声がした方にゆっくりと歩いていく。
あの声はたぶん玉本さんの声だ。彼女の身に何かあったのだろうか?心拍数が上がり足がガクガク震える。なかなか動かない足をやっと動かし廊下の突き当りまで来ると、右奥の部屋から少し明かりが見えた。玉本さんたちが寝ている部屋だ。緊張が走る。俺は心の準備が整わないまま玉本さんたちの部屋の前まで歩みを進め、少しだけ開いているドアをノックする。心なしか獣のようなにおいがする。
「玉本さん……。開けますよ、いいですか?」
返事は無い。俺はドアノブに手をかけると、恐る恐るそっとドアを開けた。
「ギャーーーーーッ」
俺は目に飛び込んできた光景に思わず叫んでしまった。
「なっ、なんじゃこりゃー!!」
俺はこのありえない光景を生涯忘れることはないだろう。しかしこれはこれから起こる奇々怪々、摩訶不思議……な出来事の序章にすぎなかったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます