デート前日〜一之瀬麗の一日〜①

〜一之瀬麗視点〜


デート前日の朝。


自然と目が覚めると、枕元に置いたスマホで時刻を確認する。


いつも通りの時間だと確認し終えると、保険の為にセットしておいたアラームを解除しておく。


隣にはお姉さんがまだスヤスヤと眠っていて。


わたしはその寝顔を見ると、すごく幸せで、今日もがんばろ!と思えてくる。


ずっとお姉さんの寝顔を眺めていたいけど、我慢して。


お姉さんを起こさないようにベットから抜け出すと、朝食とお弁当の準備を始める。


家事全般はわたしが担当していて、大変じゃないかと聞かれたらかなり大変で。


だけど、辛いわけじゃない。


いつもお姉さんが大好きな気持ちを我慢できなくて。


我慢できないわたしはお姉さんに抱きついたりして困らせちゃうけど。


それでも、拒まない優しいお姉さん。


そんなお姉さんの為にしてあげられるのがすごく嬉しいの。


「よし!でーきた!」


わたしは朝食とお弁当が出来上がりそう口にした。


今日も美味しそうに出来上がりわたしは大満足!


お姉さんのお弁当はわたしの気持ちを込めた特別製で。


今日はお姉さんにデートに誘われたこともあっていつも以上にやりすぎちゃったけど、まぁいっか!と蓋を閉じる。


「さてと!時間は…」


時刻を確認すると、ちょうどお姉さんが起きないといけない時間だったので、わたしはお姉さんを起こしに行く。


実はこれが一番大変で。


幸せそうに眠るお姉さんを起こすのがかわいそうで。


そのまま寝かせてあげたい気持ちと、戦わないといけない。


まずはお姉さんの寝顔を確認。


どうしよ…。スヤスヤしててすごくかわいいんだけど!


えー!まって!ほんとどうしよ!むりむり!わたしにはこのかわいいお姉さんを起こすことなんてできないよ…。


でも、お姉さん起こさないと遅刻して怒られちゃうだろうし…。


と、心の中で葛藤しながら最終的にお姉さんの悲しむ顔を見たくないと思うとなんとか起こすことにする。


ちなみに、最初から見なければいいのでは?と思うかもしれないけど、わたしにはそんな選択肢は存在しない!


大好きなお姉さんを見ないなんてあり得ないから!


「お姉さーん。起きてー。朝だよー。」と優しく声をかける。


すると少し寝ぼけながら目を開けるお姉さん。


「おはよぉ。一之瀬さん。」とわたしに微笑みながら挨拶をしてくれる。


その瞬間わたしの中が大好きでいっぱいになり、我慢できなくなったわたしは「お姉さーん!大好きー!」と抱きしめる。


「ま、まって!一之瀬さん!く、苦しいから!」と言われるけど抱きしめる。


そして、最終的にお姉さんに引き剥がされるわたしはその後、お姉さんと朝食を食べ始める。


いつも美味しそうに食べてくれるお姉さんを眺めながら取る朝食は最高で。


「今日も美味しい朝食ありがと。」なんて言われるとまた我慢できないわたしはお姉さんに抱きついてしまう。


そして、この後はつい先日から出来るようになったことで。


お姉さんが家を出る時にわたしはいってらっしゃいのキスをする。


まぁ、キスといっても頬にするんだけど。


それでもわたしはすごくドキドキしていて。


いつも以上にすごく幸せな瞬間。


震えながらお姉さんにすると、お姉さんも照れた様子で「い、いってきます!」と慌てて出て行く。


そんなところもほんとにかわいくて大好き。


さて、お姉さんを見送った後は寂しいけどわたしも準備を始める。


制服に着替えて、毎日忙しいお母様にはメッセージを送って、学校へ。

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