第4話「熊谷 トシゾウ」
Side 熊谷 トシゾウ
短い髪の毛。
野性味が感じる顔立ち。
ガッチリした鍛え抜かれた体付き。
見るからにデスクワークよりも肉体労働タイプの人物。
名を熊谷 トシゾウ。
元々は自衛隊の人間で昭和の頑固おじさんとか雷おじさんとか言われて恐れられている。
今は自衛隊ではなく、特殊な組織に出向している形だ。
対リベリアス帝国戦闘部隊と言う味気ない名前の部隊。
政治家連中はキングスセイバーに全部任せればいいと言う考えだそうだが、熊谷 トシゾウは気に入らなかった。
キングスセイバーを批判しているワケではない。
確かに敵は強大だが自分達の国を自分達で守ることを放棄するのは人間としてどうかと言うことだ。
更に気にくわない事にキングスセイバーの捕獲命令まで出ている。
最悪殺しても構わないと。
これは誰もが無視する事に決めていた。
(今は我慢だが・・・・・・)
今は自衛隊と共同で災害救助活動及び、キングスセイバーの調査中だ。
(しかしなんでスマホ撮影するかなぁ・・・・・・どいつもこいつも・・・・・・)
スマホ撮影していた馬鹿達にお灸を据えた。
教師までやっていた始末だ。
特にキングスセイバーに庇われた人間達は一歩間違えれば死ぬレベルだったのだ。
教師、保護者呼び出しまでさせて怒鳴りつけた。
怒鳴りつけるのは馴れているが、こんな子供に当たり前の事を説教しなければならない事に情けなさを感じていた。
こうした行為をして逃げ遅れて死んだと言うケースは多い。
そして外野はキングスセイバーのせいにするのだから、責任問題にされたキングスセイバーはたまったもんじゃないだろう。
そんな日本人達をキングスセイバーはどう思っているのだろうか・・・・・・
(そういや日本人説が濃厚だとか言っていたな)
キングスセイバーの活動範囲はとても広いが流暢な日本語を喋り、声からしてまだ十代半ばだと言われている。
単純ではあるが日本人説が濃厚だ。
体格についても未知のオーバーテクノロジーで実は少年――最悪小学生なんて言われているが否定も出来ない。
特撮ヒーローよろしく様々な姿に変わり、怪獣すら呼び出すのだ。
とんでもないヒーローである。
ちょっと子供心のような物が疼いてしまう。
(ともかく、早く戦えるようにならねえとな・・・・・・)
そう思いつつ復興作業に勤しむ熊谷 トシゾウだった。
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