私のエリクシル
太刀山いめ
第1話鮮やかな思い出の映写機はオンボロ
最近食事に「美味しさ」を感じられなくなった。
私は勿論生きているので二食や三食、更には食意地ははっているのでおやつや夜食をも食べます。
そんなに食べても「美味しくない」?
そうなのです。
独り身で自分の好みの味付けもそこそこの長さの人生を共にしたので分かっているつもりです。
皆様はどうですか?
美味しい!
旨い!
絶品!
バブル期世界を股にかけて仕事をされていた方々はこうおっしゃいました。
「俺はザッハトルテを誰よりも早く食べたね。しかもザッハトルテ発祥のホテルに連泊して毎日」
「俺はとんこつラーメンが食べたくて友人数人と東京から博多に飛行機移動して「本場」を食べてから午後に東京でまだ仕事があったから皆でまた飛行機さ」
「フランスだったかなぁ…撮影に関わらせて貰って出来も上々。そしたらスポンサー主催のディナーに呼んでもらってさ。「日本のこの青年に!」ってサプライズで三百万の赤ワインを味わったよ」
同じ職場の諸先輩方はその話をよくされます。
そして私達若手を見ると口々に可哀そうだ。彼等は特別扱いもご馳走にも縁が無いんだから…そう言われます。
また皆様にお聞きします。美味しく食事されていますか?
今の世の中注意をしないと食事に払った金額の四分の一の値段の食べ物を食べていた…何てこともあります。
今は不況の真っ只中。ですから売り手も原価を下げて利益を上げねばなりませんので全てを悪し様には申せません。
ですが海外の貝が日本の砂地で日光浴してる間に彼等の国籍が日本になっていた…最近騒がれましたがもう十年前には知られていました。
最近は安くお鮨も食べられます。私の妹等は魚卵が好物。逆に私は魚卵が駄目。子供の頃はよく一貫交換したものです。
ですがその魚卵…本当に魚の卵…ですか?
これも企業努力ですが安いお鮨の魚卵は人工物。工場が産みます。
ですので自分の本日の食事…少し考えてみてはいかがでしょうか?
食事の批判的な話ばかりで疲れさせてしまいましたね。
こんな私はメディアで紹介されるような場所で食べたこともない「ただの人」です。
グルメな方々が「美味しくない」と言うのとただの人が「美味しくない」というのも味覚レベルが違うだろうと仰られる方も多いと思います。
ですが、ただの人にも一言も二言も言いたい事はあるのです。
子供の頃祖父母の畑で採れたじゃが芋を山程蒸して貰ってたらふく食べたこと。
祖母が分けてくれた複雑な味の純黒糖。
夕食に一切れ出された塩をたっぷりされた大辛紅鮭。
それはそれは美味しかったのです。
皆様ももし、今の食事が美味しくない…味気ない…
そう思われたら……探しましょう!
私は記憶から探しますが、それのない人もいらっしゃいます。
令和の美味しいを一緒に探してくれませんか?
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