第12話
平和に惰眠を貪り喰らう僕。
ただただ怠惰に暮らしているだけの僕なのだが、何故かここ最近僕を襲撃してくる人が絶えなかった。
「……?」
もはや慣れてしまった僕への襲撃。
しかし、今日の襲撃はいつもと違った。
「……うげぇ」
僕の視界が暗闇へと落ち、深い深い闇の奥へと己の存在が引っ張られていく。
「一体何の用だし」
闇の奥へと落ちた先で僕は口を開く。
僕という存在が闇の奥へと落ちた。
であるのならば、その理由はただ一つであり、誰かがこの星の意思、闇の意思へとちょっかいをかけてきた。ということにほかならない。
それしかないのだ。
僕という人間に何か行動を強制させるには。
この星の意思にちょっかいをかけられた場合は、星の防衛本能によって星の意思と繋がっている僕は強制的に星の意思の前に立たされる。
「ようやく来たか…」
星の核。
相反する格の、星の意思の一つである闇が満ち溢れているこの場所において。
多分別の星の闇の意識の一部であると思われる存在が三人居ることを僕は確認する。
「我らが王に反逆する汝に……今ッ!天誅を食らわせてやろう!」
意気揚々と僕の方へと向かってくる闇の一部たち。
闇に闇をぶつけても何の意味もない。だからこそ、僕の持つ暗天の力でこいつらを倒す事はできない。
そして、目の前の闇の一部たちもまた、基本的に暗天を起動している状態である僕を傷つける事はできない。
「……悪戯に己の命を浪費する愚か者め……いい加減鬱陶しいんだよ!」
僕は怒りを顕にし、僕の周りでうろちょろと一切効かない攻撃を繰り返し続ける闇の一部たちを睨みつける。
「『明天』百合」
僕は何の躊躇もなく他者との縁を焼き切ってしまう『明天』を開放する。
これ以上ないまでに歪んでいるアルファは僕のことを王と慕っているだろうし……陽向は何があっても僕の力に影響されない。
ここで僕が『明天』を使うのを渋る理由はない。
「さっさと全員死んでしまえ」
僕は光り輝く刀を振るい、闇の一部たちをあっさりと全滅させた。
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