エピローグ
「……何故だ」
廃墟へと成り果てた施設の一つで
「こ、ここには様々な実験の成果や有能な実験器具が残されていたのだ……!だ、だからこそ、この世界でも有数の実力者を何人も配置していたというのに……」
一つの……禍々しい人影が蠢いていた。
日本の、世界の、闇。それを統べしもの。目的なき闇に巣喰らい、己が力へと変えるもの。
「あれだッ!!!あのガキがおかしい!?なんで二つの力、両方持っているというのだ!?おかしいだろッ!?……なんであれが人間なのだ!?あれはもう星だろ!?地球そのものだろ!?何故に人間なんて名乗って……人間だなァッ!あれはッ!遺伝子的にもッ!ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
この世界の闇、暗闇、陰謀論ですら遥かに超える存在であるその人影は、廃墟となった施設の一つで一人、膝をついて発狂していた。
体を地面へとこすりつけ、涙を流し、発狂していた。その姿は無様というほかないだろう。
「うぅぅぅぅぅ……クソ……ッ!私の望んでいることなど、大したことではないだろうッ!何故ッ!?何故すべてに邪魔が入る……ッ!あのガキ……ッ!許せるぬッ!許せぬッ!許せぬぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
発狂し続ける人影。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
ひとしきり発狂し続け、ようやく落ち着いたのか、息を整え始める。
「ふー。……損害事態はそこまででもない。ここが潰されたのはデカいが……いくらでも補填は可能。問題は奪われた実験結果、実験内容を理解されること。理解されてしまうことである。あれを利用し、あのガキがさらなるパワーアップを遂げてしまったら……いや、あれを理解するなど不可能だ。ふー。落ち着け。損害は大したことない。今まで以上に警戒し、我らは闇に潜るだけ……」
■■■■■
「……随分とエゲツないことしているのな。というか、この研究……僕の力に応用出来るような……?いや、別に大したものでもないし、良いか」
人影の研究。
それは、亜蓮にしっかりと理解され……そして、要らないモノ扱いされたのだった……。
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