第21話 武器
ロッタンさんたちの腕が鈍らないようにということで大量のナイフと他の村や町に売りに行くための日用品や防具・武器など大量に作成していた。素材はカイル帝国の鎧や剣だ。その他にもホムンクルスが拾ってきた武器や防具を溶かしてインゴットも作成していた。
五日が経つとナイフでズタズタに刺殺された蛇の魔物が運ばれてきた。なぜ魔物かと分かったかというと、とにかく巨大なのだ。ホムンクルス化するとやせ型だが身長が2m近くあるホムンクルスが誕生した。命令をしようとしたところでロッタンさんから情報が入る。
「どうやら村から西に五日ほど行ったところにオークが現れたらしい。今は騎士団が対処している。戦況は分からんそうだ」
「ゴーレムとオークどちらを優先しますか?」
結城は悩んでいたが直接聞いてみた。
「儂個人でいえばゴーレムじゃが。オークの現れた近くの村とはこの間取り引きした仲じゃ。できれば助けて欲しいの」
「分かりました」
そう言うとホムンクルスへの命令は、オークを殺すこと。ゴーレムの核を破壊すること。とした。別に今まで通りに魔物一体を対象にしなくてよいことに気が付いたのだ。予備の戦力もあることだし。命令は順番によって優先権が変わることも今までの行動から察することができた。これでこのホムンクルスはオークを優先して討伐してくれるだろう。
「話を聞いておったが、こいつがゴーレムも攻撃するのかの?」
「そうです。優先はオークにしていますので、先にオークを片付けてからゴーレムですね」
「ならこいつを持たせてやってくれ」
そう言うとどこから出したのかはわからないが立派なハンマーが現れた。
「こいつはこの間のホムンクルスが持ってきた鉱石でつくったものじゃ、ロックゴーレムまでならなんとかなるじゃろ」
「ロックまでってことはそれ以上がいるんですか?」
「ゴーレムは鉱物の数だけ種類がおるぞ」
このホムンクルスの生い先は短いなと思った結城であった。ホムンクルスにハンマーを渡すとそれを担いで西へと向かった。あとはオークのいるところまでホムンクルスの行動範囲が伸びていることを祈るだけだ。
10日後、ホムンクルス達はオークの死体を大量に持ち帰った。兵士の死体とともに。
◇オークの討伐に参加した騎士団員視点
戦場は乱戦だった。兵士よりもオークの方が数は多い。だれもが負けを覚悟していた。その時身長が2mはあろうかという成人が戦闘に参加し始めた。騎士団の皆が応援かと思い奮起してオークを討伐した。戦闘が終わった時には周りには大勢の子供がオークそして兵士の死体をどこかに運んでいる。騎士団長はそれを止めようと話しかけるが子供達は全く相手にしていない。頭にきた騎士団長はその子供たちに剣を振るった。すると今までは無視していた子供達が死体を置き騎士団長に襲い掛かる。その光景を見て騎士団員の誰も動けなかった。そして子供たちが死体を運び出すまで騎士団員の一人もその場所から動くことができなかった。
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