第20話 ゴーレム

ドワーフたちを受け入れてから三日、急激にホムンクルスが減少し始めた。それは一日続き収まった。さらに三日が経ってその原因が判明した。ドワーフたちが興奮してホムンクルスが持ち帰ったものを検分している。


「これはマッドゴーレムの土とロックゴーレムの岩だな。どちらも炉の素材としては一級品じゃ。これは貰って行っていいのかの?」

とドワーフのリーダーのロッタンさんが訪ねる。


「どうぞ。私たちには何の価値もない物ですので」


「しかし、この素材は定期的に手に入るかの?」


「それは分かりません。ゴーレムダンジョンがあれば手に入るかもしれませんが、今回の戦闘はおそらく一日で終了しました。野生のゴーレムと言っていいのかは分かりませんがそのような存在だったのではないかと思います」


「ふむ。ではこの数で炉を完成させてしまうかの。また手に入る機会があればその時に炉を新調すればええじゃろ」

そういって土と岩を運んで行ってしまった。ホムンクルスが運んできたゴーレムは原型をとどめていないため魔石がどこにあるかが分からないと思いながらあちらこちらを触っていると。

「マッドゴーレムの魔石、ホムンクルスを生成しますか?」

と急に脳に声が響いた。私はホムンクルスを生成し、鉱石を私の下へ運んでくること。鉱石を掘り出すこと。を命令した。次にストーンゴーレムの魔石を探す。見つけたと思ったが違うものだった。取り出してみるとどう見ても魔石に見える。戻ってきたロッタンさんに聞いてみると。


「それはゴーレムのコアじゃな。そこまできれいに残っているのは珍しいの。それは貰ってもいいかの?」


「コアと魔石は違うのですか?」


「どちらかを破壊すればゴーレムは停止する。コアを残す方が難しいからの、あまりコアは出回らんのじゃ」


「どうぞ持って行ってください。私たちは使いませんので」

ロッタンさんはほくほく顔でロックゴーレムのコアを運んで行った。


「コアが残っていたってことは魔石を破壊しちゃったのかな?考えてもわからないし今のところはそういうことにしておこうかな」

そう言うとロックゴーレムの魔石を探すことを止めた。


さらに三日が経つと、マッドゴーレムのホムンクルスが鉱石を運んできた。それをロッタンさんに見せると。


「これは純度の高い鉱石だな。どこか採掘場でも見つけたのか?」


「この間のマッドゴーレムには魔石が残っていたので鉱石を運んでくるように命令したんです。そうしたらこの鉱石を持ってきました。着いていけば採掘できるかもしれませんが長い目で見ればホムンクルス達が定期的に運んできてくれますよ」


「そうじゃの。それより炉が完成して農具も作ったぞ。次は何を作る?」


「そうですね。ゴーレムに有効な武器が欲しいです。まだゴーレムがいる可能性もありますし、前回倒したときはホムンクルスの損耗が結構多かったので」


「ならハンマーかの。そのちっこいのが使うのか?」


「いえ。ゴーレムを攻撃する専用のホムンクルスを生成しようと思います。まだ大きさは分からないので作ることだけ覚えておいていただければ」


「分かった。その時は教えてくれ。では適当に武器を作っておるぞ」

そう言ってロッタンさんは村へ戻っていった。

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