第6話:識別

ホテルでノートパソコンを開く。


資料が届いていた。


記録では病死か・・・死因は脳梗塞・・・これは・・・なるほど。


ミヤビの・・・写真は・・・きれいな人だな・・・グレイスと見比べる


よく見るとそんなにはにていないような・・・グレイスの方がかわいらしくしたあるのか・・・


グレイスの目は青・・・水色に近いか・・・


目の色?


リサの写真を見る、目の色は濃いブラウン・・・私の目の色は青緑なんだが・・・・


顔認証で何が一致したのだろうか?


「ねぇ、グレイス・・・リサと私の顔だけど・・・」


「あ・・・その話ですか、日本人が外国の人の顔の区別がつきにくいとかあるじゃないですか?」


「まぁね・・・」


「たとえば、人間が犬とか猫の顔を識別しようと思ったらできますかね?」


「は?」


「私にインストールされてた顔認識のプログラムって古いんですよね」


「なるほど」


「新しいのにかえておきますよ・・・たぶんもう必要ないでしょうけれど」


「・・・そう」


「その件はあやまっておきます、いいようにあなたを利用しました」


「・・・」これをどこまで信用していいのか


報告書を作ってメールを送る。


「さて、2~3日はこの街に滞在することになるけど・・・何か見て回るところとかある?」


「さぁ・・・検索してみますが、人が住んでいる区画と研究施設以外は廃墟とガレキの山ですからね・・・」


「・・・そう」


「車で少し行くと自然がの残っている区画があるようですね」


「・・・たまにはいいかもね」


「はぁ」


「一緒に来るならもう少しまともな服も買わないとね」


「・・・?」


「いつも同じ服を着ているとね・・・」


「そういうものですか」


ゴーレムに近づいて触れてみる


肌も髪も不思議な質感だった。


「・・・ん」


「どうかしましたか?」


「いや、なんとなく」


「?」


「なんとなく、埃っぽいというか、薄汚れてる?」


「・・・ですかね?」


「あなたって水洗いできる?」


「たぶん」


ゴーレムをシャワーで洗う


結局、自分も濡れてめんどくさくなって一緒に浴びる


1/1の着せ替え人形でも所有した気分だ


時計を見る・・・14時か・・・


スーツケースを開ける


ジーパンにTシャツ、パーカーに着替える


銃のホルスターに特殊警棒とナイフを持って


「少し散歩しましょうか」


マスクをつける


グレイスはワイシャツにスカート・・・なんか武器を持たせておいた方がいいだろうか?


必要のないマスクをつけさせる


ボロボロの街を歩く


歩いている人は少ない


店に入る言葉が通じないから通訳アプリで会話する


遅い昼食を簡単な食事を済ませる


服を売っている店に入る


「かわいい服でも来てみる?」


「服の価値観がわかりませんが、なにかいいことがありますか?」


「・・・そうだな・・・かわいいと壊されにくくなるんでしょう?」


「そうでしたね」


「まぁ、それは男性が相手の時だけだけれどね・・・」


「そうなんですか?」


「たぶん・・・世界に出てみた感想は?」


「さぁ、何も感じませんからね・・・」

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