第2話:都合のいい理由

「その攻撃的な手足で一緒に行動するつもり?」


「それはそうですね、人間の手足に付け替えます、お待ちください。」


エントランスのロビーだろうか?椅子になりそうなところに座って待つ。


30分くらい経っただろうか、逃げてもよかったのではないか?と、そう思った時に


「お待たせしました」


先ほどよりも人型に近い手足を付けたゴーレムが戻ってきた。


「もう少しバランスの取れたパーツはなかったの?」


「すいません、あまりお待たせするのも悪いかと思って」


「そう・・・一緒に中にいきましょう」


「はい」


そう言ってゴーレムは歩き始める


後ろについて歩く


大きな貨物用のエレベータに乗ろうとして


「あ・・・もう人用のサイズで乗れましたね」


地下に降りていくようだ


「あなた名前はあるの?」


「リサ様はグレイスと呼んでいました」


グレイス・・・優雅?だったか


「そう、グレイスは私と外に出て何をするの?」


「ネットの情報と世界を比べてみようと思って」


機械の考えることだろうか?


「あなたって人工知能?」


「はい、そういうことになります、リサ様の価値観で構築されたようですが」


「判断の能力をもっているんだ」


「ですが、管理者の指示が絶対条件になっています」


「なるほど」


「今はリズ様が管理者設定されています」


「そう」


地下3階で降りる


歩いていくとほかにもゴーレムが活動していた


「ここでは空気汚染がないはずです、マスクを外しても大丈夫ですよ」


「そうなんだ・・・」


腕時計型のモジュールを見て空気の汚染を確認する


問題ないか・・・


マスクを外す


「そういえば顔認証で一致したって言ってたけど、似てるの?」


「はい、95%一致しました」


「マスクを外しても?」


こちらを振り向く


「・・・90%ですね」


「そんなに似てるんだ」


「はい、別人だと言われても機械には判断できません」


「・・・そう」


・・・もしかしたら全くにてないけど適当に一致させて「戻ってくるあてもない管理者」を書き換えた可能性もあるか・・・


パーツが並んだ倉庫を歩く


「あなたの顔と胴体に合わせた形はないの?」


「在庫ではあると思うんですが・・・」


「元々ついていたパーツは?」


「あ、そうですね、それがありましたね」


・・・機械のくせに記憶力がおかしくないか?


どうやら自分の記憶に検索をかけているらしい


「ありました、ほかの階の倉庫にあるみたいです」


「そう」


・・・便利なのかもしれないな・・・


もう一つ下の階に移動する


「リズ様は何をしにここへ?」


「人に頼まれて・・・様はつけなくていい」


「そうですか・・・頼まれた?ですか」


「私の仕事」


「仕事ですか」


それっぽいパーツがストックされていた。


機械が部品のコードを記録しているらしく読み込んでいる


カートに乗せて作業だいに向かう


他のゴーレムが作業するらしい


手足を組み替えて立ち上がる


バランスを調整しているらしく挙動不審な動きをしている


「お待たせしました」


「そうだね」


「建物のシステムの管理権限をほかのゴーレムに移管しました」


「私はここをどうしたらいいかな?」


「今システムはあなたに従いますが、そのままにしていただけませんか?」


「・・・考えさせて」


「はい、参りましょう」


「ちょっと待って」


「なんでしょうか?」


「いや、服をきてくれるかな?」


裸の女性がそこに立って首をかしげている。

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