第21話 エピローグ
ミルをゆっくりと回し、珈琲豆を挽く。
以前は電動ミルを使っていたが、最近ハンドミルに変えてみた。
手間も時間もかかるが、ハンドミルの方が「香りがとばず」、珈琲が美味しくなるそうだ。
より香りを楽しめるように、ゆっくり、ゆっくりと回す。
手の動きにあわせて、不思議と心もゆったりしてくる。
[香りと記憶は結びついている]と聞いたことがある。
今日はどんな自分を思い出すのだろうかと、期待しながら、珈琲カップを手にした。
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