端の国

かんま

甲ノ章

第1話-1

【2215年、12月11日午前12時34分】

明登あけのぼり高等学校3年2組4限”情報”の時間】


「...以上であるからして私は人体に対する損害が少ないであろう兵器増強説によって

地人の侵攻に対抗するのがベストだと考えています。」


____爆笑。のち侮蔑。

「さ、境田くんはぁ、ほんとにぃ、兵器増強説の方がいいと思ってるのかい?」

加古先生が境田二縦さかいだにたてをふざけた口調でからかう。

「境田くんさぁ、兵器増強説なんてのはね?もう10年ほど前に完全に絶滅した説なんだ。完全に。君はこの情報研究の時間ですでに死んだ説を生き返らそうと必死に人工呼吸してたわけ。隣に人工物増強説っていう頼りがいのある説があるにもかかわらずだよ、境田くぅん。」

「で、でも、人工物増強説だって完全に安全ってわけな...」

終鈴。

「はい、ありがとうございましたぁ。お疲れ様でしたぁ。前半の情報研究の時間はみんなとってもよく出来てた発表だと思います。あ、一人を除けば?」


____爆笑。

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