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side.Subaru





円サンがバイト先に訪れてから、3日目…


現状は更に悪化していた。





原因は正直、全く判らなかったが…

円サンは明らかに元気がなく、態度は不自然で。



その要因が、俺のバイト先に来た日から始まった事だけは…なんとなく気付いていた。





知らぬうちに怒らせてしまったんだろうか…


色々考えてはみるものの、

思い当たる節と言えば…円サンのダチとか言うヤツに、冷たい態度をとってしまった事くらいで。




もしかして、それが気に入らなかったのかと…


自己嫌悪だとか嫉妬だとかに苛まれ、

地味にショックを受けてたりするんだが…




その日、

帰宅してもどこかよそよそしい振る舞いの円サン。


バレないようにしてるつもりでも、

根っから嘘をつけるような人じゃないから。



その態度はあからさまに異様で、

俺の不安を見事に煽った。





同じ屋根の下で共に過ごし、

こうして一番近くにいられるのに。


互いの間に大きな隔たりを感じ…

どうしていいのか判らない。





しかも俺が傍にいると、

円サンは無理をしてまで、笑おうとするから…



いたたまれず、急遽オーナーに頼まれたのを口実に、


俺は前から円サンと合わせていた休日に、

バイトを入れてしまった…。





避けられている─────…

そんな状況で一緒にいる事が、耐えきれないと思ったから…


俺はろくに顔も合わせず、

逃げるように部屋を飛び出してきた。



我ながら情けないな…






初めて人を好きになったから、

こういう時、どう接していいのか判らなくて…


焦ってしまう。





俺にとっては円サンが全てで。



年下だから、普段は見栄を張ってカッコつけて、

大人ぶって見せてるけど…


本当の俺は、貴方がいなくなったら、

生きていく自信さえないような…弱い生き物なんだ。






貴方に愛されたいから、尽くしたい。


その為ならなんだってやれる。

誰よりも愛して、甘やかしてしまいたい。



貴方が思うほど、俺は強くないし完璧でもない。

だって貴方が、そんな表情を見せるだけで…すぐ心が揺らぎ、


脆く崩れてしまいそうになるから…






(このままなんて、嫌だ…)


例えウザがられても、ちゃんと話したい。


仲直りして…

いつもの円サンに戻って欲しいから。





凛と鳴り響く虫の音に、追い立てられながら。



夏の夕刻を、

俺は無我夢中で駆け抜けていた。

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