寝れない……


 もみじは毎日のようにリーフフィアとしてCreate your fantasy world に入り浸っていた。


 寝る前や勉強の後、仕事の前後に入っては遊んでいた。


「このゲーム、睡眠できるから楽しい」


 普通のプレイヤーであれば、ゲームの中でエネミー溢れる場所での睡眠などできるはずもないのだが、リーフフィアはいつも寝ていた。


「さて、今日も寝ますかね」


 リーフフィアは森の奥へと行き、いつも通りの手順で睡眠場所を確保する。


 最近では、皆、フォレストタイガーとの戦闘で善戦しているため、リーフフィアの魔法補助がいるのか怪しくなってきたところである。


「よし、今日も皆よろしくね。それじゃ、おやすみ」 


 少々以上の問題が現実で起こり、その問題 対応にあたるため、本来使う必要のなかった体力をごっそりと使ってしまったのだ。


 お陰ですっかり疲れてしまった。


 とある問題に関するetcを思い出すだけで怒りで腹わたが煮え繰り返そうだが、怒るのが1番エネルギーを利用するのである。


 しかし、人間の性なのか、リーフフィアの性質なのかは分からないが、怒ってはいけないと思うたびに怒りが蓄積していく。


 押し付けがましい善意と一方的な正義感が1番扱い辛いし、後々の予定の無駄を作るから嫌いなのだ。


 有り難迷惑どころかただの害悪である。


「……思い返してみるだけで苛々してきた」


 その問題について考えていくうちに、同じ人間が起こした様々なことを思い出してしまい、余計にイライラしてしまう。


 どう頑張っても寝れなくなるほどに感情が昂ったリーフフィアはがばりと起き上がり、諸々の魔法を解除する。


「ちょっと気分を落ち着かせるために暴れてこよ」


 ぱんぱんとドレスについているだろうゴミを払う。


「よし、行こう」


 初期杖から神杖に装備を変え、神杖を右手に持って、てくてくと森の奥深くへと歩き始めたのだった。

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