あらら、たーいへん


『人間如きが、私が嘘をついている、と?』

「証拠がないので」


 獰猛に笑う神に対して、リーフフィアは飄々とした笑みを浮かべる。


『ほざくな!人間風情が!』

「あらら、たーいへん」


 リーフフィアは神と急いで距離を取り、好戦的な笑みを浮かべる。


『【アシッドレイン】」

「【フレイムウォール】」


 自分を中心として、球状に炎の壁を広げて、酸から自身の身を守る。


「【サンダーショット】」

『【アースウォール】』


 多くの雷の弾が土の壁によって、相手に届くのを防がれるが、それでも2、3球当たる。


「……ん〜、HPがないとは」


 ただし、当たったはいいものの、HPの概念がないのか、傷一つつかないし、痛そうな顔をすることもない。


『いくら当てても無駄だよ』


 まさに、絶望しかしない状況。


 また、蝶やユニコーンといったものまでもが襲いかかってくる。


「【フレイムウォール】」


 炎で大体の生物と攻撃を燃やす。


「お、蝶と幻獣たちはそこまで硬くない」


 炎で燃え尽きてしまうぐらいだから、そこまで強くない。


「なら、まずは森ごと焼き払うかな。【フレイムストーム】」


 炎の嵐で森ごと殲滅する作戦を実行する。


 森ごと殲滅するのは容易い。ただただ燃やせばいいのだから。


『【ウォーターストーム】』


 ただし、それは相手がいない時だ。


 神様は森を破壊する炎を鎮めにかかる。


「……」


 炎を鎮めたのは鎮めたが、森の半分以上がなくなってしまった。


 リーフフィアは神の行動に注意を払いながら、エリア内で変わった場所がないかを確認する。


 ここまでエリアを破壊したのだ。何か変わっていてもおかしくはない。


「……うん、弱点、見つけた」

『本気を見せてやろう』


 神の宣言を聞いたリーフフィアは、右手を上に挙げて、にこりと微笑んだ。


「ボクも、本気で殺るね」

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