とりあえず、やってみよっか、だるいけど


「……えーっと、着いた、のかな? 着いたんだよね、多分」


 現実ではあり得ない服装をした人々が歩いている。

 盾を持った人、剣を持った人……その中でも杖を持った人は少ない。


「魔法使いって少ないのかなぁ? まあ、いっか。やってみるだけやってみよう」


 失敗したらやり直せば良い、それか部屋の片隅に置いておけば良い、と思いながら長い杖を突いて近くの街の中心部へと歩いていった。


「えっと……これと、これと、これで……一回終わろうかな?」


 街の中にある魔法店の中の入って、魔法のスキルを買う。


「魔法ってこうやって買うしかないのかな」


 魔法店の外に出て、広場にある噴水の近くのベンチに座る。


 ふぅ、と一息ついたリーフフィアは、本を開いて魔法を使う。


 買った魔法を全て唱えて、スキルを見ると、きちんとスキル欄に書かれていたので安心する。


「魔法はスキルの一種なんだね。えっと、スキルの中にもMP消費型と自動型と2種類あるって説明書に書いてあったっけ」


 なんにせよ、一般的な魔法とスキルはMPを使うことを理解した。


「とりあえず、森に行ってみようかな」


 次の目的地を定め、その場所の方向に顔を向けた。


「何事も挑戦、ねぇ」


 心底どうでも良さそうな声を上げ、重い腰を上げた。


 大きな伸びをして、ローブを叩く。


「ま、行ってみますか?」


 杖をつきながら、森へとゆっくりと歩いて行った。

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