第25話 無双(偽)
翌朝、今日は朝から昨日の続きだ。
昨日は一度の戦闘で引き上げたが今日はやれるだけやってやると意気込む。アイテムはまだあるので水と食料だけ補充して日の出とともに森へ向う。
森へ入ると「図面作成」を利用して昨日接敵した位置まで警戒しながらも進んでいく。
今日はもうスライムは見かけない、仮にいても無視するかとレイピアを仕舞いいつでもワイバーンソードを引き抜ける心構えはしておく。
奥まで進むと住処があるのか遠吠えや気配が伝わってくる、するとまず向こうの斥候なのか一匹だけこちらにきた
「さあ、こい!」
今日は怯んでいられない、いつまでもここで足踏みしてる時間はないんだ。今日でここを卒業してやるぞと相手を睨みつける。
昨日のように飛びかかってきたコボルトを今度は怯まず噛みつこうとしてくる口元に剣を振るいそのまま一刀両断した。
「イケる!」
確信した俺はそのまま奥へと進む。
進むに連れて数も増えていくが昨夜手に入れた「剛力」のお陰でしっかりと剣が振れるので3匹来ても無傷、5匹きても一噛みされただけで「合気道」も駆使しながら全て一振りで倒していく。
中途のレベルアップも無視して気づけば森の裏側まできていた。どうやら群れも壊滅させたらしい。
師範代からよく「柔よく剛を制す」とは教わったもののそれが全て真実ではないのは前世でのMMA(総合格闘技)を見たものなら分かるだろう。
まさに剛力無双、力こそ全て、力こそ○ワー!
力こそダンディズム!!
いや、違うな。何いってんだ俺。
剛力lv1なんて小さい頃から冒険者目指して鍛えてるやつなら持ってるものだし何なら冒険者じゃなくても持っている。
これは単に装備品無双だ、昨日は俺の力が不足しすぎて装備の力を引き出せなかっただけ。
剣だけじゃなく靴も不安定な足場でもしっかりと大地を踏みしめ安定感が違う。
だがそれだって貴族や豪商の息子達なんかは同じようにこうやってこの初心者フィールドで無双(偽)をするなんてよくある光景なんだろう。
倒してもまた湧くようだし魔物って。
調子に乗ってはいけないがどうやら今日でここは卒業でいいらしい。
本来平民の新人冒険者はここで2ヶ月くらいは薬草採取しながら通常レベルを10くらい上げてから卒業するらしいので上々だろう。
さて夕方になる前に帰り今後の計画を練り直すか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます