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side. Subaru
基本無口な晃亮と俺、あといつも連んでる同じ学校の2人。
専らこの2人が、ベラベラとくだらない話をしていて。
晃亮はあんなだから、常に何考えてるか解らないし。俺も元より受け流してる状態。
それでも、なんとなく連んでる。
そんな不思議な関係の4人。
店を通り過ぎる数秒間。
密やかに至福の時を味わっていたら────…
「あ~ッ?タバコ切れてんじゃんっ!!」
連れのひとり、金髪ハゲの土屋が空っぽの煙草ケースを逆さまにして。突然大きな声で叫び出す。
「おれニコチン切れると暴走したくなる~。」
人目も気にせず喚くから、通行人がビクビクしながら離れていった。
……なんだか、嫌な予感がする。
頼むから、此処で騒ぎを起こさないで欲しい。
心配になり、向こう岸のコンビニの様子を窺っていたら…
「コンビニ。」
いつも無口な晃亮が…
まさに今、俺が視線を寄越した先を指差していた。
途端にざわりと、胸が騒ぐ。
このままじゃ…マズイ。
「オラ、早く買ってこいよ。」
店前まで内心焦りながらも、やって来ると。
もうひとりの連れ…茶髪の森脇がパタパタと手を振り、店先にどっかりと座り込む。
晃亮もそれに続いて、隣に腰を下ろした。
密かに森脇へと感謝し、安堵する。
俺も晃亮の隣につき、見つからないようなりを潜めた。
ひとり寂しそうに店内へ向かう土屋。
頼むから、さっさと買い物を終わらせて戻って来てくれ…。
目の前の2人が、煙草に火を付けた。
危機を脱して一安心…
俺も吊られて煙草を取り出し、口に加え────…
それをぽとりと、落とした。
「こらぁ~っ!未成年が堂々と煙草吸っちゃダメだぞ~!!」
思わず立ち上がる俺。
幸い、晃亮達は声の主に気を取られ、俺の異変には気付かない。
けど、
恐れていた災難は、
向こうからやって来てしまった────…
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