第5話
自分の勉強部屋には霊が存在してる。最初、中3のはじめに、この部屋に入った瞬間に、何か霊がいるように感じた。入った時、ちっちゃくて可愛らしいお人形さん何体かの姿が部屋に浮かんできたのを感じたんだけど、実際には部屋には、お人形さんは1体も置かれてなかったから、もしかしたら、以前住んでた人の愛するお人形さんだったのかなぁ~って思った。おじいちゃまとおばあちゃまが、自分がこの部屋に来るから、前まであったお人形さんを片付けたのかなとも思った。
夜、寝てると、机の上の本やノートがパラパラとめくられていくので、最初は、なんだなんだ?本やノート見てるのか?見るの好きなのか?勉強してるのかな?って思ってた。
それから、自分の寝てるふとんの上から、ちょっと圧力のかかるのを感じる。
毎晩、それが続いて、パラパラめくられる本やノートは古文や美術が多いから、文学や美術が好きなのかな?って考えた。自分のふとんの上に圧を感じる時も、なんとなくだけど、感覚的に「芸術に広い心を持て」と言われてる気に、だんだんなってきた。中3の自分の直感的なものなんだけど。第6感ていうか。
それで、ゆいちゃんが夏休みに来た時に、自分の部屋にふとんを並べて、いっしょに寝てもらってみた。やはり、同じように机の本やノートがパラパラ音をたてて、めくられていき、そのあと、やはり2人でふとんを並べて寝てたところに、ちょっとした圧を感じ出した。ゆいちゃんも同じように感じて、驚いていた。ゆいちゃんに、どう思うか聞いてみたら、芸術家っぽいような気がするって言った。やっぱり!って自分も思った。女流作家さんか女流画家さんのように感じると言った。まるで弟子に説くみたいに、芸術に対して高い意識を持つよう伝えてるのではと言う。えーっ!さすがゆいちゃんって思った。自分は何ヵ月間か、かかったことなのに、1晩で自分と同じようなこと、わかるなんて!
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