第74話・よろしく頼まれやがれデスよ!
「姉ちゃん、どうしてもやるのか?」
「当たり前です。目の前に妹の仇がいて、戦わない理由はないざます!」
「だから殺してないっての……」
まあ、この場で出せる証拠はないけどさ。
「ミアぴに会わせるから待っててよ」
「その手にはのりませんよ、騙そうとしても無駄ざます。我々には敵わぬとみて騙し討ちでもするつもりなのでしょう。わちきの推理に間違いはありません。
これもアンジーが言っていた『会話が成立しない相手がいる”という事を知るべき』ってやつのひとつか?
「そんな名前に賭けんでええって」
「なんと不敬な。そんな名前とは何事です!」
「
「なんと、さらなる不敬ざます! あなたごときが魔王様を
……ダメだ、疲れる。ここまで話がかみ合わないと、会話する気力すらなくなってくるな。
「八白さん、相手しない方がいいと思うよ」
「アンジーの言うとおりだわ。会話が通じねえ……」
とりあえずあの思い込みをなんとかしないと。ラミアに会わせることが出来れば万事解決なんだけどな……どうすればいいんだろ?
ウチがミア姉と牽制し合っている隣で、ウェアウルフは抜刀してルカ達と睨み合っていた。ま、パワーが上がっている今の彼女達ならなんの心配もない。
むしろ心配なのはアンジーだ。折角タルボがワニの恐竜を押さえこんでいたのに。
――
「アンジー、あんた何を考えているのさ」
ワニの恐竜と真っ向勝負をするアンジー。ウチ達があれだけ手こずった相手と一人で戦い始めたものだから、ウチも
「あ、言ってなかったっけ?」
とぼけているのか本音なのかわからないことを言いつつ、魔法を織り交ぜながら流れるような剣さばき。強力な一撃を与える事はせずに、疲れさせる作戦のようだ。この恐竜を傷つけない戦い方は、流石は異世界十年選手と思わせてくれる。
「私のライズトリガーは“恐竜にタイマンで勝つこと”なんだ」
「なにその“人類の許容範囲を全力でぶっちぎった条件”は。アンジー、あんたってば……」
「カッコイイっしょ!」
戦闘中だってのにわざわざこちらを振り向き、あごチョキでドヤってくるアンジー。
「アホかぁ!」
「ひっど!」
昔読んだボクシング漫画に描いてあった。パンチの空振りは体力消費が激しいと。ワニの恐竜が噛みつこうとしても、はたまた前脚で潰そうとしても、ヒラヒラとかわしてどんどん体力を削っていく。
「ティラちゃんもあの魔法には弱かったしな」
そろそろ真剣に、
「姐さん、決着ついたみたいっスよ」
おっと、考えに
「流石アンジーって感じね。……アホだけど」
「八白さん、聞こえてるよ」
「はいはい、睨まない睨まない」
〔このワニの恐竜は、サルコスクスという種類ですね〕
……しれっと解説に入る女神さん。
アンジーが動けなくなった恐竜にそっと手を触れると、青白い光を発しながら徐々に小さくなっていった。人間サイズなった所で『ぽんっ』という軽い音と共に煙が発生し、中から
それにしても、アンジーでもトリガーが必要だったんだ。とすると、ライズ化に関しては初代新生が一番優秀ってことになる。なんかモヤモヤするなぁ。
この
まあ、見る角度によっては単なる黒ギャルだけど……これは黙っておこう。
「よろしく。スーちゃん」
スッと自然に手を差し出すアンジー。その手をガッチリと握り返すスー。
「よろしく頼まれやがれデスよ!」
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キャライメージ画
スー→https://kakuyomu.jp/users/BulletCats/news/16817330653353105724
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