第三話 睡魔
――あれから15年が経った。15年間で得た成果は色々あった。
ここは
聖獣が知恵の神と崇められている国であり、魔獣と魔物を忌み、討伐対象とする国だ。
無論この国にも敵国がある。相対する国が、
古い文献では、混沌の神が生み出した
それぞれに形を得て進化して知恵を獲得し知恵のある生物を生み出した7体が聖獣で、進化して生命の形を生み出した7体が魔獣らしい。
で、帝国の話に戻るんだが魔人には人間の様な高い知能はないとされていてスキルと魔法が使えない代わりに高い身体能力と魔物の特性を持ち合わせているとか。
んで、僕のお父様はその帝国を倒す騎士団の切り込み部隊所属らしい。お父様は沢山の功績と技量が認められて辺境伯の地位を任せられている。
憧れではあるが自分がお父様みたいになれるかは心配だな、というか絶対に強くしてやると豪語してるから毎日剣と魔法の練習してる疲れるけどまだ勉強よりはマシだ、だって勉強つまんないじゃん?
だからよく、剣と魔法を練習してるんだよね。ほら、頭悪くても技とかあればさなんとかなると思うんだ。まあ、お母様は見逃してくれないけどね。
あ、そうそう神様に貰った僕のスキルなんだけど《ドッペルゲンガー》って言うんだよね。
意外と攻撃面とか何かと役に立ちそうなんだよねこれが!!えっと、効果が…っと…。
《ドッペルゲンガー》
【自分と同じ“存在”を生み出すスキル】
【本体の魔力量=分身の活動時間】
【分身は本体の魔力量分だけ魔法を撃てる】
【分身が幾ら魔法を使おうが本体の魔力は減らない】
【寝ている間探索をしている場合分身の見た物がリアルタイムで夢に映し出される。】
【分身は分身を生み出せない】
【分身が攻撃された場合分身の活動時間が減るのみであり、本体への影響は何も無い】
自分は何もしないで分身に行動させることが出来るのって最高じゃないか?何かあれば自分を生み出して1VS2の状況に持って行けることもできるし、僕が魔法を覚えれば覚えるだけ、分身が使える魔法も増えるわけだ。それに、召使いにも出来そう。あと、御屋敷抜け出す時とか?ふふふふ…このスキルは意外と有能だぞ。
■ ■ ■
「あ〜やっと着いた!」
そうこうしている内に木々や草が生い茂った獣道に入っていく。道無き道を地図に頼らず進んで行くと、広い場所に出た。
綺麗な池と何だか神聖な雰囲気を醸し出すその場所は中央にどっしりとした大樹がそびえ立っている。何年そこに立っているかは知らないがとても立派で不思議と安心してくる。
とても貴重なこの世に生まれる妖精の為の樹である。世界に数本しか生えないと言われる貴重な樹であり、切り倒すことは禁忌であるとされているらしい。
まあ、何故ここに僕が来たかと言うと――。
「ここでなら、お父様とかお母様にも見られずに日向ぼっ…ゲフンゲフン」
「スキルの練習ができる!!」
早速僕は、スキルで自分を作り出し。そこら辺で魔法を撃たせる。まあ、自分が目の前で自分が使っている魔法を見せられているのは何とも不思議だな。
「そこら辺で探索していいぞ〜」
「わかった、そこら辺で魔法とかの練習してくるよ、僕」
居眠…ここら辺の探索をさせる為に僕は僕に命令を出す。そして、僕は大きな樹の下で寝転がり瞑想をした。
僕は僕の見た物をリアルタイムを夢として繋がり見ていた。
――1時間が経った頃に魔力が切れてスキルの効果は途切れたらしく夢を見なくなった、そこから深い深い眠りに就いて眠っていたのだが。
『…て! …きて!!! …起きて!!』
そう呼びかける声が頭に響く。
うるさいな、僕はまだ寝ていたいのに―――。
『起きてってば―――!!!』
眠たげな瞼をこじ開けて目を開き誰かと思い眩しい世界を見ると、目の前にいたのは小さな妖精だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます