How many miles to Babylon? 2
「えーと、セロハンテープ、セロハンテープ……」
この
と、文房具の集まったチェストの上を
「キミ?」
僕の突然の、どう見ても奇行を目で追うだけだったロビンが、
むしろよくここまで
「何してるのかってことでしょ? うん、シンシアの力も借りたいんだけどさ、彼らに入って来られるのはロビン的にもイヤでしょ」
十字架を書きつけたメモ用紙の上にセロテープを、ぺっと貼り付ける。
「勉強中とは言え、多少文脈理解してるから、
「
「そう、彼らが入ってこれないように」
そう言って、ドアを開ける。
目の前、至近距離に
そのままそっとドアを閉めたくなる欲を
「シンシア、ちょっと
「
「そう、彼らが入れないようにする」
言って、ドアに十字架を書いたメモ用紙を貼り付けた。
「あをやぎの、かづらきやまにおはします以下略」
そもそもとしてこれは、本来的にあのひとに
今は緊急事態だし、そこまで集中するほど難しいことをするわけでもないし、ついさっき一度スイッチ入れてるし、
「
「……あんた、人ん
シンシアが、げえっと言わんばかりの顔でそう言う。
それを受けて、貼り付けたメモを指差す
「これを起点に
「はいはい、で、これであたしも入って大丈夫って言うんだろ?」
「そういうこと、のはず」
はずって、と困惑しながらもシンシアが部屋の中に入ったので、ドアを閉めた。
僕やシンシアの目からはわからないので、ロビン自身に
「ロビン、どう? いる?」
ロビンはふるふると首を横に振った。
成功である。
小さくガッツポーズすれば、シンシアに横目で
――そもそも、妖精はキリスト教的理屈からはみ出しつつも、庶民的信仰の中に根付いていた、大文字のGodと異なるが故に神と呼ぶことは涜神的とされた何かという文脈である。
そも彼ら自身が何であるか、はその文脈で異なりつつも、「地獄に
であれば、無理やりにでも「ここは教会である。
「あんた、得意げな顔してるけど、このチェストの上
「いや、その、テープ探してて……」
まったく、と言いながらてきぱきとシンシアがその
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