生きづらい世の中で

@tender_note

第1話 飽和スケジュール

 大学に入ったが、いかんせん忙しい。毎日がスーッと過ぎていく。充実した日々だといえば聞こえはいいかもしれないけれど、そうは言ってももう少し休憩する時間がほしいーー


 俺、峰傍天気みねばた てんきは先日、国立堂田時大学どうでんじだいがくに入学した。国立大学に入る必要があったのでそこそこは勉強をしたが、身が削れるほど勉強をしたかといえばそれほどでもない。でも、やっとこさで目標に届いてこうして大学に通えていることは本当に喜ばしいし、小さいときから自由に勉強できる環境を整えてくれていた両親には大変感謝している。ありがとう。

 大学に入ってすぐにサークル選びが控えていたが、もともと入ろうと思っていたサークルがあったのでそこまで困りはしなかった。現在音楽系のサークルで、ボーカルとして歌わせてもらうことになっているのだが、歌が好きなだけでそこまで上手なわけでは無いので迷惑をかけないように頑張りたい。8月には海でキャンプ、9月には宿泊施設で合宿をすると言うので、慌ただしくも楽しい活動ができそうだ。

 少し大学生活にもなれてきてバイトを始めようと思っていたところに、友人からの連絡が来た。友人が3年間続けているバイト先で人手が足りないから、バイトに来てくれないかというものだ。偶然にも家から徒歩十分程のスーパーだったので断る理由もなく、後日面接に行くことになった。面接では、店長さんにこれから数ヶ月の間で入れる曜日などを聞かれ、入れそうな曜日を言うと少し微妙な反応をされた。しかしながら、面接が終わってからしばらくして合格の電話が入ったときにはとても安心した。

 バイトの面接の際に伝えた、8月にバイトに出られない日にちが間違っていたことに後から気づいた。焦って後日店長に伝えると、「一日だけかもしれないけど、伝達のミスは命取りだからね。」「もし商品の賞味期限を一日間違えることでもあったら間違っちゃいましたじゃ済まされない、大問題だから。」というようにお叱りを受けた。ほんとにすいませんでした、、

 それに加えて、9月に合宿があるので二日間出られないと言ったら、「長期休みは入れるんじゃなかったの?」「できるだけ早く伝えてね。」とも言われた。まだ5月なんだけどな...。イベントとかがあるときは参加したいので仕方がないけれど、報告・連絡・相談のほうれんそうは律儀に守っていこうと思った。

 ここまで二ヶ月間ほど大学生活を過ごしてきて思ったこと。まず、大学の授業を受けて、そこで出た難しい課題を解いて、というルーティーンが思ったよりもきつい。高校のときにしていた1.5倍位は勉強してる。できるだけ授業の内容を吸収できるように学習しているつもりなので、その分負荷がかかってしまうのかもしれない。

 それに加えて、サークルの活動。サークルでは週に2回、放課後の活動があって、その他に定期的にみんなが参加する楽しいイベントのようなものが存在する。先ほど紹介したようなものから、食事会などまであったり、意外と頻度が多い。

 そのせいで、シフトの予定が少し合わなそうだと言ったらきつく言われる。バイトだからサークルの集まりに行けないと言うと、付き合いが悪いと思われたり、自分の楽しむ時間が失われたりする。スケジュール管理が大変だし、毎日の予定がびっしり定まってしまっているのも少し窮屈に思えてくる。

 就職して働き始めたら、本格的にこのようなぼんやりとした辛さに打ちのめされるのだろうなと思う。そう思うとみんなすごすぎる。尊敬の念です。よし、こころが辛くなってきたり何もする気がなくなったりしちゃうこともこの先あるのだろうけれど、みんな頑張ってるから、俺も頑張りたいなと思う。なんか最近辛いなって思っている人がいたら、話を聞いてあげたり力になってあげたいなとも思う。とりあえず、こんな感じでやさしくいられるようにしていければいいな。

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