第27話 街の向こう側



家々が並ぶ屋根の向こうに

山の緑が見える


ゆっくりと見ていると

まるで木々の葉の一枚一枚が

語りかけるように見えてくる


夕暮れの街

緑と夕日が溶け込む世界で

それは妖精なのか神なのか

まるで見えない力を放射状に放つように


暖かくもなく冷たくもない無名の光


それはたとへば

公園で打ち上げられる噴水のように

放ち続けられる見えない力

力の放散は具現化されるでもなく

理論で説明されるでもなく


ただ強い力の天と地の美しいシャワー


感じてみれば

静かに日は沈み

闇が支配する世界では

月明かりが天から大地を見守るのだろう

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