第25話 炎天の下で



だるような空の下の大地


既に出て行く気を失っている部屋で

ソファーに座り

氷を入れた珈琲を飲む


愛読書を手に取り

ページを開いてみても


普段なら感涙するような文章も

ただただ真面目な顔をして通り過ぎるだけ


読み進めているうちに

全く文章が頭に入っていない事に

やっと気付いたのか

冷えた珈琲を一口飲むと

無地のシャツが汗で濡れていた


人はじっとしていても体力を使うものなのかと知る正午前

無駄な時間を過ごしていると気付きながらも

ソファーの上で横になり

しばし無駄と戯れてみようかと


そう

それも良いと思った

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