第22話 彩雲を見たかい



誰かに呼ばれたような気がして

高下駄に指を入れ

外へ出てみた


玄関からの見渡しには誰も居ない

そう誰もいない


私はもう一度辺りを見回してから空を見上げる


青い空に

一つだけ千切れた雲が虹色に輝いていた


それは

太陽と水が織りなす

真昼の空のステージ


いつの間にか胸に手を当てていた私は

空に向かって

ありがとうと呟いた

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