第一章 エスカレーターの美女
地下鉄の長いエスカレーターを降りていくと。
背の高い女の人が反対側からのレーンを昇ってくる。
まるで、モデルさんのよう。
カッコいい。
私の心に浮かんだ言葉そのままに。
男前な彼女を心底、羨ましいと思った。
私とは正反対。
私の身長は150㎝にも満たない。
いわゆる、チビだ。
「可愛くて、いいじゃん。」
友達は、そう言うけれど。
当人にとっては、もう少し。
背が欲しいなぁ、と思う。
だから、レーンの向こう側のモデルさんが。
私の方をキツイ眼差しで見つめたのが。
少し、へこんだ。
「何だかなぁ・・・。」と、あの人が呟いているようで。
でも、違うんです。
私が、目の前の彼をジッと見つめているのは。
大好きだから。
それも、あります。
エスカレーターを一段上から見つめているのは。
私の背が低いから。
そうしないと、同じ目線にならないから。
きっと、バカップルに見られたのだろうな。
外れてはいないけど。
私、彼、圭君のことが。
大好きなの。
エスカレーターの短い旅の途中でも。
見つめることをやめられなかった。
特に、今日は。
だから、皆様。
どうか、あきれずに。
私の物語の続きを読んでください。
どうか。
御願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます