第101話 ラノベの感想―― 攻略・ゴーレム物語 あたしの最後の人間としての言葉――でも精一杯のウソ……


 第一章の続き




 っんでさ! もんだ~い!

 御用の無い者はとうりゃさんせ~。な~んだ??


 答えは、君が7歳だから!


(これも、ストーリーを読まないと全然意味不明――)


 ……ニタっとした調子で、誰かが~お葬式で泣きました~。なんで~?


 モーツァルトはレクイエムを完成できなかったからだろ。ちなみに、ニ短調の未完の曲。

 君って本当にモーツァルトが好きなんだな!


 でもさ……モーツァルトにとって未完成のレクイエムって、やっぱし悔しいのかな??


 ……ナザリベスちゃんの気持ち??


(ここは、謎々の回答がニ短調というよりも、ストーリー的に未完成のレイクエムを重視したほうがいいのだろう……)




       *




 と~りゃさんせ…… 帰りは~怖いよね~?

 な~んだ?


 うわわわわわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!!!!! 

 誕生日の謎々~、たんじょうびの謎々~、

 たんじょうびの謎々~、たんじょうびの謎々~、たんじょうびの謎々~、

 たんじょうびの謎々~


(回想―― 「お兄ちゃん! お姉ちゃん! あたしの誕生日って、いつだかわかる~??」の伏線だと思う)


 人生だ


 あの子に人生なんて言っちゃダメだって!!!


 7歳の幽霊の女の子ナザリベスは、人生に憧れていたのです。


(……この子の七つのお祝いに という歌をヒントにして、ナザリベスの誕生日と命日が同じ日だということに気がついていきます)


 絶対に、君のせいじゃないから……


(ナザリベス―― 自分が短命であったことをです)




       *




 あたしはウソしかつかない……


(どうして、嘘しかつかなくなったのでしょうか? という、あたしからの謎々を――)




 君は193が素数ってのを即答できるんですねぇ……。

 それはそれでいいとして。その素数Pにはさ! 全部番号が付いてあるんだ。

 で、193は何番目の素数かっていう話!


 それが答えなの?


 勿論! ……人生ってなんなのだろうな? そう思えるよな??


 一人公園で、「193は何番目の素数かっていう話!」「それが答えなの?」を思い出していました。


(物語全般に言える、『生と死は同一、死は生の裏返し――』の核心な回答がこれだと思います。四月四日というナザリベスの誕生日……わかってくるくだりですね)




       *




 俺の一番の謎々は君だ。なんで、君は成仏できないのかな?


(物語終盤の伏線、そして謎々――)


 引いたらダメな阿弥陀くじ。なーんだ? 引いても、楽しくなんかないよね?


 …………自分の人生とでも言いたいのか?


 あったり~!!

 じゃあ結局なーんだ?

 この結局ってのも、勿論、分かってるよね~


 じゃあ教えてやる。

 お前は世界を否定したいからだ!




 問題! あたしの名前は?

 お姉ちゃんは聞いたみたいだけど、お兄ちゃんは知らないよね~?


 佐倉伴美だ!! 墓石に書いてあったぞ


 じゃあ~さ!! あたしの幽霊としての本当の使命は?


 幽霊だから人を驚かせる。忌み恐れられる。でも女の子だから可愛がられる。大切に思われる。拝まれる。可愛い葬儀屋という……裏ジョブだな!


 この2つの答えから、あたし旅に出たよ。どーこだ?

 ヒントは……この三途の川だよ。


 ヒントなんていらない。平等院鳳凰堂だ。宇治川は三途の川、お前の成仏の旅は、ここからだな!


 あたしの本当の名前は?


 田中伴美!! 佐倉は旧姓なんだろ?


 それをどこで知ったの? なんで墓石に旧姓なんだろね? さあ答えて!!


 ああ! 答えてやる!!

 ……大学の教授から、子供部屋にあったモーツァルトのきらきら星変奏曲の楽譜の表紙から。両親の離婚――死を墓石の佐倉、生を田中にして――


 つまり、あたしの謎々って……なーんだ?


 ……つまり、ママが墓参りにくる理由、パパが子供部屋を守りたい理由。

 大好きなんだろ!! 佐倉も田中も……


 だから?? お兄ちゃん??


 佐倉伴美――田中伴美――君は、君は愛され続けるってことだ!!


 ふふふっ!! お兄ちゃん、大正解!!

 …………なんだろうね?



(ナザリベスという幽霊は何者なのか? それがようやく読者に理解させつつあるくだりです)




       *




 だからさ! あたしはウソしかつかなーい!!

 あたし達、ようやく原点に帰ってきたんだよ!!!


 違うぞ!! 何もかも違う。ここは俺達が決別する場所だ。

 俺とお前は、これからは違うから……

 お前が『人生』にこだわった理由、その原点がこれだ。



(ここで主人公は、最初の自殺という謎々の回答を思い出したんだと思います―― ナザリベスは自分の人生を恨んでいた?)



 ねえ? 伴美ちゃん。謎々を出してあげるね。川はなぜ流れていると思う?

 なあ伴美。魚はなぜ泳いでいると思う?


 えー?? それって謎々なの? 分かんないよ~


 じゃあヒント! 川は流れているから川

 魚は川があるところでしか泳げない



(主人公は、ナザリベスが生きていた人生の最大の謎々を解答する――)



 川は流れなければ……。魚は川の中で……。お前のパパとママは、お前の一生――お前の残り少ない命に対して、どうか私達を恨まずに、受け入れてほしい。パパとママは、お前に、一生というものは、こういうものなんだと伝えたかったんだ……



『ママ パパ あたし 死なないよ』



 あたしの最後の人間としての言葉――でも精一杯のウソ……



『あたしなんて、生まれなければよかった。こんなあたしを死なせた世界を、あたしは壊したい!』


『お前のその言葉はウソか? だってお前はウソしか……お前の人生はウソなのか??』




(お前の人生は、ウソでいいのか?? ――という主人公からナザリベスへの“謎々”です。このラノベ全般を通してあたしが言えることは、ナザリベスは嘘をつき続けることで、“生”としての幽霊として存在することができたのだと思います。……難しい内容で、それはラノベ内でもヒロインの言葉から同じことが書かれているのですけれど、嘘をつくことで自分の7歳という短命を肯定、否定したかったナザリベス。そしてナザリベスは謎々を出し続けることで、この自分の人生を誰かに――それは主人公に認めてほしかった。解答してほしかった……主人公はどんな謎々でも解けるという特技を持っているのだから……。ナザリベスは主人公に、自分の謎々から自分の人生の嘘を知ってほしかった。知ってほしくて、主人公にわかってほしかったのだと思います)




 そうして、ようやくナザリベスは幽霊でなくなるのです。 

 嘘もつかなくてよくなるのだから……。

 未練は成就されたしなのですよ。


 きっと?





 続く


 この物語はフィクションです。

 元ネタは、『じゃじゃーん!! ナザリベスだよ。あたしはウソしかつかなーい!!!』です。

 全話完結しています。


 作者のこのラノベも読んでください。

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