第2話日常

いつのまにか大人になっていて、

でもそれは大人になったつもりでいただけで

子供の頃、喉から手が出る程に欲しかった物が

今は簡単に手に入る事に大人になれたと錯覚している。

あれほど欲しかった物が今ではそれほど欲しいとは思わないのだ。

子供の頃、大好きだった蝉達も今やただ不快に思う。

あの頃は、

大切だったお人形さんも、今や押入れの奥底に眠ってしまってる。

昔憧れたヒーローやサンタクロースも全て偽りなのだと気がついた時、自分を信じられなくなっていた。


今は、今をどれだけ幸せを感じられるかを必死に探している。

あの頃は、何もかもが新鮮でそれだけで幸せを感じてられたのに、手に入ってしまうとそれだけで満足してしまう。


毎日同じ事を繰り返し

作業が多くなり、なにに一つも楽しく思える事は滅多にない、

人を愛することすらもわからなくなるほどに。

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