2023年2月
2月1日
ポン、ポン、ポン、ポーン
カシュッ
ゴクゴクゴクッ
「あ゛ー。sveidラジオ!」
「みんなー、オッハー。パーソナリティーの悠衣でーす」
「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。詩です」
「お前らの通勤に絶望を添える朝から飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間がやってきました」
「週の真ん中水曜日。絶望はあと3日も続くわ」
「最初のメール。ヒレカツ。いつも行くネカフェに、いつも同じおじさんがいます。喫煙所の時間もかぶります。恋ですか?」
「多分だけどあなたも思われてるわよ。またこいつ居るよ。って」
「もう話してみたらいいんじゃね? いつも一緒ですねって」
「知らないおじさんとなに話すのよ」
「そんなの私の知ったこっちゃねえ。当事者が考えろ」
「ずいぶんな投げやりね」
「姐さんは喫煙所にまつわるトークあるか?」
「そんな無茶苦茶な。あー、ちょっと前なんだけどね。名古屋でラーメン屋さんに行ったのよ」
「一人でか」
「一人よ」
「わざわざ名古屋で一人とは。寂しいな」
「いいじゃない。用事があったのよ。でね、女の子二人組の向かいに座ったのよ。広いカウンターで、二人とも顔が見えてたの」
「ほうほう」
「一人は髪を明るく染めててね、超タイプで。もう一人は黒髪で、たぶん遊んでるわね」
「清楚系ビッチって姐さん好きじゃないのか」
「清楚系ビッチというか、あの子は何だろうね。ちょっと分類できないけど。とにかくちょっとギャルっぽい子の方が好みだったのよ」
「ほんで?」
「先に向こうがお店出ちゃってね。あーあ、と思いながら私も食べ終わって、お店の前の喫煙所でタバコ吸ってたのよ。さっきの子の名前何かなーって想像しながらね」
「変なの」
「そしたら、バタバターって足音が聞こえてきて、喫煙所の前をさっきの子たちが通り過ぎてくのよ。多分忘れ物したんでしょうね」
「おお」
「でね、声かける勇気もなかったからそのままなんだけど、名前だけは二人の会話から分かっちゃって」
「なんだ」
「りさちゃんと、みきちゃん」
「そっか」
「はい、喫煙所トークよ」
「姐さんも喫煙所で恋をしたと」
「恋まではいかないけど、ちょっとドキッとした経験よ」
「よーし、リスナーの喫煙所トークを募集だ。ドシドシ送れ」
「一つコーナー化しちゃったわね。ま、そんなに数が来ないと思うから、集まったころにまとめて読み上げる形で行こうかしらね」
「じゃ、次だ。初投稿。窓ふき大臣」
「すごい大臣がいたものね。行政死んでるのか生きてるのかわかんないわね」
「えーっと、姐さん宛だな。姐さんはニコニコ古参のようですが、思い出のコンテンツはありますか?」
「思い出だらけよ。中高生のほとんどはあそこで時間を使ったんだから。あの当時は歌ってみたをずっと徘徊してたわ」
「歌ってみた?」
「素人が歌ってる動画を投稿するのよ。当時はある種の文化圏が形成されてたから、そこ出身でCD出したり歌手活動始める人とか何人かいてね」
「YouTuberか」
「それの先駆けみたいなものね。私は当時、男性なら蛇足さんとneroさんを追っかけてたわ。女性はnayutaさんと雌豚閣下ね」
「全然知らん」
「アンタのために言ってるんじゃないからいいのよ。一押しは、nayutaさんの『永久に続く五線譜』と、雌豚閣下さんの『traveling』よ。あと、『ランティス組曲』も聞きなさい。あれが私の青春よ。今でも歌えるわ」
「あ、そう」
「もうちょっと続くわよ。あとはテニミュね。VIPが遊んでた頃のネタ動画だけど、あれは楽しかったわ。ニコニコの空耳文化はここから始まったんじゃないかしら。ゲーム実況は、牛沢さんがスタートね。あの人のときメモ実況を見て、ときメモ4買ったわ。龍光寺さんは今でもお気に入りの子よ」
「姐さん、その話まだ続く?」
「何よー、まだ語り足りないわよ」
「もうビールないんだけど」
「えー」
「締めるぞ」
「はーい。この前の日曜日に、けいおんの『Girls in Wonderland』のカバーを投稿しました。最初のカバーの『magicaride』とあわせてぜひ聞いてね」
「死んでも聞け」
「あとは、メールフォームあるので、メールください」
「NGなしだ。何でも来い」
「今日は
「じゃあなー」
「行ってきまーす」
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