1月23日
ポン、ポン、ポン、ポーン
カシュッ
ゴクゴクゴクッ
「あ゛ー。sveidラジオ!」
「みんなー、オッハー。パーソナリティーの悠衣でーす」
「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。詩です」
「お前らの通勤に絶望を添える朝から飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間がやってきました」
「みんな、金曜日ぶり。週末はどうだったかしら」
「どうせ大したことしてねえ奴が多いだろ。姐さんと違ってな」
「そんな比較をする必要はないんだけども。週末は金沢へ行ってました。大学の同期と誕生日会をしにね」
「誕生日会のためにいくら使ってきたんだよ」
「往復の交通費だけで3万弱ね」
「その金でもっといいことできただろ。何してたんだよ」
「まず、能登のほうにワイナリーに行ってたわ。能登ワインってお店ね」
「こっちにいるときとあんま変わんねえじゃん」
「あんたと遊ぶのとはまた違った楽しみなのよ。で、なんかね、12種類くらい試飲ができてね。お店の人に言われたの。飲み放題ですよって」
「なんだそれ」
「度数が強いから、飲み比べをしながら、説明を聞いて、さっきの味忘れたからもう1回飲んで、なんてやってたらさ。出来上がっちゃうわけ」
「だろうな」
「もう楽しくなっちゃって。お土産買ってきたからいいじゃない」
「なにかはわからんけど、おいしかったな。ジュースみたいだった」
「でしょー。って、あれ。アンタあれもう飲んだの?」
「飲んだ」
「なんでよ、一緒に飲もうって言ったのに」
「1人で旅行行きやがるから罰だ。そもそもあれは私へのお土産だろ?」
「違うわよ。みんなへのお土産よ」
「そういうことは、早く言ってくれんと困る。もう飲み切っちまったぞ」
「はー。もー」
「ま、いいじゃねえか。どうせそのうちまた行くんだろ?」
「そうだけど。飲んじゃったものは仕方ないわ。今度また買ってくるから。絶対1人で飲まないでね」
「私用のお土産を別で買ってきてくれれば、こんなことにはならなかったのにな」
「私が悪いのかしら」
「ま、結果的にはそうなるな」
「はあ、アンタに渡した私がバカだったわね」
「そう項垂れるなって。さ、メールだぞ。ヒレカツ。うがいをするときは歌いながらするのが良いって聞きました」
「知らないわ。耳鼻咽喉科の先生にでも聞いてみて」
「おいおい。テキトーだな」
「違うわ。知らないからこそ知らないとキチンというのよ。中途半端な知識を持ってる人間が、微妙な知識でしゃべるのが一番危ないのよ」
「そんなもんか」
「まあ、うがい程度で命にかかわることは稀だろうけど。医療系は特に気を付けないと、いつどこでだれがそれを信用して実践してしまうか分からないから」
「意外とまじめだな」
「真面目というか、境界線の問題よ」
「じゃあ次。もう1個ヒレカツだ。巨人の星2が好きです」
「分かるわよ。あの、飛雄馬! って親父が殴ったときに、明子姉さんが、頑張って。って言うところいいわよね。私も昔、ゲームコーナーのやつ打ってたわ。たぶん一番打った台じゃないかしら」
「なんでこんな話題で話せるんだよ」
「一般教養よ」
「姐さんってそういうのやるんだな」
「というよりも、私が全く受け付けないもののほうが珍しいと思うわよ」
「女とのセックスもな」
「やってみなければ良し悪しを判断できないもの。あんたとセックスしたときは気持ちよかったわね。もう男とセックスしようと思えなくなっちゃったわ」
「今は」
「ん-。最近もあんまり思わないわね。仕事終わったらアンタが家にいてくれるんだし。花純とヤッてても振り向いてくれるから」
「そりゃーなー。花純と姐さんじゃタイプが違うから、楽しみ方が違うんだよなー。今度姐さんさ、花純とやってみなよ」
「2人は嫌よ。アンタがいないと」
「なんだ? デレ期か?」
「毎日がデレ期よ。満足?」
「よーし。今日も帰ってきたら抱いてやるからな」
「月曜日はちょっと」
「って言いながら、やっちゃうのが姐さんだよな。分かってる分かってる。かわいいなー。チューしてやろうか」
「お願いするわ」
「え、まじかよ」
「なによ。してくれないの?」
「いや、するけどさー。ったくー。席移動しなきゃいけねえじゃん。よっと。ちゅっ」
「んっ。ありがと。さ、締めましょ」
「っと。まてまて。席に戻ってない」
「別にもういいじゃない。えっと、先週の日曜日にfripSideさんの『magicaride』をカバーしたわ。聞いてね」
「絶対聞け。1人100回聞け!」
「メールフォームあります。概要欄のリンクからどうぞ」
「NGなしだ! 何でも来い! 私と遊んでくれる女の子も募集中だ」
「最後に今日の1句よ。
「また明日ー」
「行ってきまーす」
「ね、もう1回チューして」
「まだ放送残ってるぞ」
「いいからいいから」
「んー。しゃーねーなー。ちゅっ」
「あー、仕事行きたくなーい。行ってきまーす」
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