1月19日


ポン、ポン、ポン、ポーン

カシュッ

ゴクゴクゴクッ


「あ゛ー。sveidラジオ!」


「みんなー、オッハー。パーソナリティーの悠衣でーす」

「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。詩です」

「お前らの通勤に絶望を添える朝から飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間がやってきました」

「私は誕生日でも仕事なのよ」

「え、姐さん今日誕生日なの? ってか、個人情報漏らしていいのかよ」

「さすがに誕生日くらいは教えてあげるわ。といっても、何年に生まれたかまでは言えないけどね」

「ん-。言いたい」

「でもアンタしか知らないって特別感があっていいんじゃない?」

「どっちも捨てがたい。秘密とか苦手なんだよなー、私。でも姐さんの特別は魅力あるよなー」

「人たらしのあんたに言われるなんて、私も捨てたもんじゃないわね」

「姉さんと同じ誕生日の人って誰がいるのさ」

「有名どころで私も好きなのは宇多田ヒカルさんね」

「あー、あのー、エヴァ歌った人ね」

「私としては、笑う犬の生活、だったかしら? それのEDで、天井が落ちてくる中で『Automatic』を歌ってた印象が強いけどね」

「ちょっと、よくわからん」

「ま、仕方ないわね。ちなみに私が一番好きなのは『traveling』よ」

「どんなだっけ」

「あとで聞かせたげるわ」

「じゃあそれで」

「ちょっとだけ昔話してもいい?」

「別に止めるようなことではないけどな」

「私が中学生から高校生の頃がニコニコ動画が全盛期だったのよね。なんだけど、そのちょっと前のニコニコ黎明期は2chの住民の遊び場だったのよね」

「はあ」

「でね、VIPの人たちの替え歌が投稿されるんだけど、それにハマっててね。そこで聞いたのが、雌豚閣下って人の替え歌だったのよ」

「すげえ名前だな」

「私が聞き始めたころにはすでに引退してたんだけどね。最近復活してるのよ。CDを個人発売してたんだけどね、懐かしさから買っちゃったわ」

「好きだな」

「閣下の替え歌で初めて『traveling』を聞いてね。そこから宇多田ヒカルが好きになったわ」

「いい迷惑なのか何なのかわかんねえな」

「そう言わないでよ。ちなみにこの人ね、twitterでVIPみたいなことしてて。この前なんか、安価でお菓子買うとかやってて。お金ないのにヤンヤンつけぼー買わさせられるみたいな。安価は絶対って言ってたけど、twitterで安価やってる人なんて初めて見たわ」

「あんか?」

「アンカーリンクの略でね。ようは、指定されたタイミングの書き込みに従うっていうやつよ」

「はあ、なんかよくわからん」

「あれはあれで面白かったんだけどね。今の時代にはちょっと流行らないかしらね。ネット老人会の遊びよ」

「姐さんの昔話はここまでか?」

「まだ語りつくせないけど、今日はこの辺にしといてあげるわ」

「誕プレは何が欲しいんだ?」

「何がいいかしらね。旅行かしら」

「旅行かー。どこに行くか」

「京都奈良の修学旅行コースをもう1回周りたいのよね」

「却下。つまらん」

「なんであんたが決めてるのよ」

「温泉だな。九州か四国だな」

「じゃあ愛媛の道後がいいかしらね」

「よし。今度行くか」

「えっと、お金は」

「私がそんなの持ってるわけないだろ」

「予約は」

「そんなメンドイこと、できるわけないだろ」

「それは、プレゼントなのかしら?」

「提案というプレゼントだな。私もついていくぞ」

「自分の分くらいは自分で」

「金はない」

「ん-」

「よしっ。じゃあ気が変わらないうちに締めちゃうぞ」

「え、うーん。まあいっか。まず宣伝。この前の日曜日にfripSideさんの『magicaride』をカバーしたわ。聞いてね」

「絶対聞け。1人100回聞け!」

「メールフォームあります。概要欄のリンクからどうぞ」

「NGなしだ! 何でも来い! 私と遊んでくれる女の子も募集中だ」

「最後に今日の1句よ。今瀬いませ剛一ごういちの1句。の高さにて風花かざはなを見失ふ。風花って雪のことよ。眼の高さにて風花を見失ふ」

「また明日ー」

「行ってきますー」


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