ポップ戦記

こうちょうかずみ

第1章 少女、運命を知る

プロローグ1

「ふんふんふーん」


 鼻歌を歌いながら少女は本を抱えていた。

 すると本棚からひょっこり顔が現れた。


「ニカ、おまえまたその本読んでるのか」


 少年はニカを見てくすくす笑った。


「うるさいな、セリオ。別にいいでしょ」


 ニカがべーっと舌を出すと、セリオはどこかへ去っていった。

 ニカはその背中をむすっとした表情で見送ると、とたとたと小走りで机に向かった。

 そして椅子によじ登ると、ふぅと深呼吸をしてから、小さい手で分厚い本の表紙をめくった。


「『ポップ戦記』」

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