第17話 三か月
付き合ってからも行く場所といえば、アニメイトとディズニーショップぐらいで何も変わらない。そこまでいい観光スポットに恵まれていない都市の結果だ。デートスポとが地元のイオンではないだけ、まだましと考えるしかない。
すっかり睦希に心を囚われた僕は、彼女といるだけで幸せだった。だから何も変わらない二人で歩く道に退屈さを覚えない。恋人というのは会う時に理由なんていらない。そう信じ込んでいた。
3という数字は恋愛では鬼門になるらしい。3日、3か月、3年。
僕たちの鬼門は3か月目に訪れた。
僕は特定の誰かとずっと仲良くなることを得意としない。転勤、転校続きだったからでもあるし、一人の時間を確保したいからか僕は単独行動が多い。ずっと一緒にいられたら困る。
そんな人には悩みを聞いてくれる友達などいなかった。上辺だけと言ったら失礼だが、それぐらいの仲だ。
そんな時彼女ができたら・・・。無条件で話を聞いてくれる。そんな僕の傾倒も彼女からしたら重さになった。
「重すぎて私がつぶれちゃうよ」
彼女からの言葉は脳に何度もリピートされた。
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