死出虫の詩

霧這

灰に成れば食われるのか

薄っぺらいアルバムに積めたモノこそが

唯一 現在証明をするこの部屋で

掃除はイツぶりからていないか

虫が出てきた 蜘蛛の巣が増えた

頭垢ふけ埃塵ほこりの意識もしなく成った

「このまま墓石にでも成るのかな。自分。」

生誕を綴る母子手帳も

祝福されない卒業証書も

全て紙魚しみが食べてくれたら良い

自分が修学旅行で買ったお土産を

数ヶ月で紐が切れて皆んなで

捨てたように棄ててみろよ

「家族って所詮はそんなものなのかな。」

だらしなく木漏れ日がうつした

ダニの死骸は童供こどもの食べ残しかな

あの死骸が自分の成れ果てであって欲しい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

死出虫の詩 霧這 @Sachi8hyA9sya7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ