8章 燈朧
第201話 百足(ムカデ)
ベユン湖のほとりの橋に大蛇が横たわり、人々は怖れて橋を渡れなくなった。大蛇は人に姿を変え、一族がメガス山の百足に苦しめられていると訴え百足退治を懇願した。百足を倒した礼として、麦の尽きることのない臼や使っても尽きることのない巻絹などの宝物を贈られた。
『聖王国紀 第2章 10』
若かりし日のジュカエサル・コロ。ある日ベユン湖のそばのツカサフの橋に大蛇が出て通れないという話を聞き、早速退治しようと意気込んだ。人々が恐れる中、ジュカエサル・コロは躊躇いなく大蛇をまたぎ、悠々と歩き去った。
その晩、家に美しい娘が現れた。娘はベユン湖に住む龍神の娘で、大蛇に化けて勇者を捜していたと告白する。娘はメガス山に、山を七巻き半するほどの超巨大なムカデが出没し、龍神の一族を迫害していると告げ、これに対しジュカエサル・コロは「退治してやる」と快諾した。
ジュカエサル・コロは弓矢を引っ提げてメガス山に向かう。山には娘の言う通り大百足が巻き付いていた。人里に下りる前に始末してやると弓矢を打ち込むが、硬い皮膚に弾かれびくともしない。とうとう矢が最後の一本になった時、百足は人の唾液を嫌う事を思い出し、矢に唾を吐きかけると祈り、渾身の矢を放つ。
矢は百足の脳天に突き刺さり、悶え苦しんだ百足はそのまま倒れ込み息絶えたという。
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