3章 重囲
第55話 貉
袋の_ちのむじ_(同じことながら、鹿を追ふ^-のためには、まこと_袋のものをさぐるがご_^^らんと、夢のうちにおもひ―
ラステア王国立遺物研究所蔵『エルキーポ神聖国紀』
◆魔法の行使には呪文の詠唱が必要であり、それは言葉によって自然と口から発せられる。ただし、その呪文には特定の意味を持たせる必要があり、例えば火の魔法なら火に関係する言葉でなければならない。また、魔法の威力を高めるためには、より強いイメージが必要となる。そのため、熟練者は詠唱を省略する事が可能であり、中には無詠唱で発動させる事も可能だと言われている。しかし、詠唱を省略しても呪文名を口にしなければならず、もしそれを怠れば失敗してしまう恐れがある。なお、魔法は基本的に6属性に分類される
◆遺物は古代王国期以前に存在していたとされる不思議な力を持つ物品の事である。それらは様々な用途に用いられるため、現在でも高値で取引される事が多い。その多くは武器や防具の形をしており、中には特殊な能力を持ったものもある。現在確認されているもので最も強力なものは、聖剣と呼ばれているものである。かつて魔王を倒した勇者が所有していたとされており、現在も伝説上の存在であるとされている。それ以外のものに関しては、真偽不明ではあるものの強大な力を秘めているらしい。ちなみに、魔石は存在するが、こちらは魔法の力を引き出すための媒介となるものであり、魔法の威力を高めたりするようなものではない。
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