13 自然死

 日本国では、隠蔽されている出雲の 状況を知るものは少ない。年老いた帝の最後が近いことは、未だ公表されていなかった。〈自然主義者〉イデオロギーにおいては、伊勢のような計画死の思想は非人間的であるとして否定されている。

 医療の最善を尽くした上で死を迎えるのが、人間的な流儀だ。

 伊勢朝がどこまで情報を掴んでいるのかと、翔太は思う。さらに、自然主義のもとで増加した帝の血統の者たちが、その時どうなるかを理解しているのか。

 何も知らないと言うことはあり得ないだろう。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る