10 宿命の出会い
大晦日。旧都・東京の市街は、二十四時が近づくにつれて、ますます群衆が溢れてくる。
その雑踏の中で、背筋を伸ばして歩くやんごとなきかんばせの晶子は目立っていた。人を探している。何処にいるか、情報は掴んでいた。その場所を特定し、建物に入る。出雲の男と接触する機会は、日本国でしか得られない。
扉を開け、押し入る。高密度で群れる人間が発する湿度と温度と匂いが、高貴な人脈を強固なものにするために設計された、晶子の身体を刺激した。設計どおりに反応する本能と逸脱した目的意識の、両方の刺激で興奮していくのを自覚しながら、目指す相手を発見して、接近する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます