女の子みたいな体のボクには女の子みたいなえっちしかできない。

ヤッキムン

第1話

高校のいちばん最初の登校日に、芸術科目を選択するということで、音楽・美術・書道の3つの中から1つ、希望をその場で提出することになった。

自分は、音楽めっちゃやりたかったから、第1希望を音楽にしようかなあ~って思った。

その日、お母さん方もいっしょに高校の教室に来てて(自分のお母さんだけでなく、みんなのお母さん方も)、教室のうしろにお母さん方は、みなさん並んで立っていたのだけれど、うちのお母さんが、ボクの耳元で「音楽人気あるみたいやけど、どうする?何か、みんなの話を聞いてたら、音楽の希望者のほうが、めちゃめちゃ多いらしいよ!」って、わざわざボクの座ってる席まで言いに来た。それを聞いて、「それやったら美術にするわ!」って速攻、簡単に美術に決めてしまった。お母さんに、そう言ったら、「あっ、そうなん。それやったら、ええわっ!」って言って、また教室のうしろに戻って行った。


最初は第1希望=音楽、第2希望=美術で出そうと思ってたんだけども、結局、第1希望=美術とだけ書いて、提出してしまった!

本当は音楽も、めっちゃやりたかったのだけど。歌も歌いたいし、楽器もやりたい。色んな楽器を高校生で新しく始めたい。高校のみんなとバンドでも組んで演奏したい。オリジナルな楽曲も創ってみたい。それを自分らで、みんなの前で演奏してみたい。

でも美術は、どうしても、めっちゃやりたい。美術をはずすわけには、いかへんなあ~って思った。

できるなら、書道も、めっちゃやってみたい。

だから、3つから1つだけ選択ではなくて、やりたい人は、3つの中から2つでも、なんなら3つでも、やれるようにしても良いのになあって、その時に思った。


ボクは女の子みたいやから、高校生の初日に、新しい教室の席に座っていても、どうしても、女の子として座っている気になってしまってた。ボクは自分で自分のことを女子高生であるって、ついつい思ってしまう。だから初日も、同じクラスの女子と「はじめまして」「よろしくね」の、あいさつをして、女子のみんなとしゃべっていた。


この高校は制服もあるんだけど、ぜったいではなくて、私服で通学しても良いことになってるから、ボクは、この日も、ジーパンにパーカーで来ていた。クラスの中での、みんなの制服と私服の割合は、半々くらいだった。ボクは制服を着るんだったら、女子の制服を着て、女子高生になりたかった。女子高生として高校に通学したい。

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