第24話 鳴海朋香邸での朝
気付けば外は明るくなっていた。
レースのカーテンから朝日が差し込んでいる。今日も良い天気になりそうだ。
しかし、そんなことは今はどうでもいい。
なぜなら今、俺がいるのは朋香の家。そして一緒のベッドに裸で寝ているからだ。
今日は月曜日。学校に行かなければならないため俺は急いで朋香を起こすことにした。
「おい、朋香。起きろ」
「……」
「起きろって!」
「……」
「お・き・ろ!」
「……」
いくら呼びかけても朋香は目覚めない。
とりあえず、俺は朋香にキスをした。
その瞬間、朋香の腕が俺の首に巻きついて俺は引き寄せられる。
「朋香……お前、最初から起きてただろ」
「……ふふふっ……おはよう、圭ちゃん。バレちゃった?」
「バレるもクソもあるか。さっさとこの腕を離せよ」
「嫌だよ。圭ちゃんがキスするのずっと待っていたんだから。時間もあるしさ、もう少しキスしよ♡」
確かに六時前だから学校に行くまで時間に余裕は十分にある。しかし、
「俺、さすがに帰らないと。制服も何も無いし」
「それなら心配ご無用」
朋香が指を鳴らすと部屋にSPが入ってきた。俺は慌てて上半身を布団で隠す。
「なんでこの状況でSP呼ぶんだよ!」
「怒んないで、ちゃんとよく見て」
「何を見るって」
SPが運んできたカートには俺の制服とリュック、そして革靴が乗っていた。
「朋香お嬢様。こちらが圭太さんの私物の在庫になりますが、お間違いないでしょうか?」
「そうそう、それで大丈夫よ。ありがとね、そこにそのまま置いておいて」
「かしこまりました」
「ちょっと待てぇぇぇぇぇ!」
SPの口から発せられた謎の言葉を俺は無視することが出来なかった。
「びっくりした、急に大声出してどうしたの?なにか変なことあった?」
「明らかにおかしいだろ!俺の私物の在庫ってなんだよ!?」
「圭ちゃんの私物の在庫だよ?」
「オウム返しするな!それがなんなのかって話を今しているんだよ!」
俺がイライラしている中で朋香は枕に肘をついて頬杖をつき笑顔を見せる。
「圭ちゃんが寝ている間に家に入ったことあったでしょ?」
「あったな」
「その時に色々と部屋を物色させて貰ったの。制服と靴はもちろん、圭ちゃんの普段使う物は全部チェック済みなんだよね」
「……冗談だろ?」
「冗談だと思うなら確認してみる?圭ちゃんの私物の在庫が収納されている部屋が私の衣装部屋の隣に実はあるんだけど」
「……分かった、もういい」
その部屋を見て自分が唖然とする姿が想像が出来た。
この朋香の行動は好きや愛とか関係無しで恐ろしいことだ。
「それじゃあ、もう下がって良いよ。朝食の時間になったら自分で向かうから後は外で待機してて」
「かしこまりました、失礼します」
朋香の指示に従い、SPは部屋から出て行った。
「圭ちゃん、続きしよっか♡」
「……するの?」
「逆にしないの?」
「……いや、するけど」
「なら良いじゃん!いただきまーす♡」
そして今度は朋香からキスをしてきた。
最初は軽めのキスから始まり、徐々に舌を絡ませていく。
「朝から随分と積極的だな」
「だって朝のキスって気持ちいいんだもん♡」
気付けば朋香の頬は赤く染まっていた。
朋香は唇から垂れる唾液を舌でペロッと舐めてから再びキスをしてくる。
今度は朋香に対抗するように俺の方から舌を絡ませていった。
「……圭ちゃんの方こそ、積極的じゃん♡」
「……それはお前のせいだ」
「……人のせいにするのは良くないぞ♡」
「……うるさい。キスに集中しろ」
「……はーい♡」
俺の言葉で朋香のキスの激しさが増して、さらに首に巻いている腕にも力強さが出た。
こうなってしまったらもう最後、俺は全く身動きが取れない状態だ。
俺達のキスはしばらく続き、朋香が唇を離したところで、
「そろそろ学校行く準備しないか?」
俺がそう言うと、朋香はムッとした表情をして頬を膨らませる。
「セックスしないの?」
「時間的に無理だろ」
「じゃあ時間があったらするんだね?そういうことだよね?そういう解釈をされてもおかしくない言い方だもんね?」
朋香は腕を離すと、起き上がって俺に馬乗りになった。
朋香の全てが見える状態になり、俺の股間が少し反応する。
「いやいやいや、落ち着けって、朋香」
「落ち着けるわけないじゃん!時間があればするのか、しないのかで今後の私達のセックス事情に大きく関わってくるんだよ!」
「なんだよ、セックス事情って!そんなの知らねぇよ!」
「そんくらい知っといてよ!圭ちゃんは時間があればセックスするんでしょ!?」
「……する」
「それなら時間が無い時のセックスの仕方を考えないと!」
「そんなの考えなくていいわ!」
「どうして!?」
「理由なんて要らねぇよ!セックスくらいゆっくりしたいだろ!」
「じゃあ聞くけどさ!圭ちゃんがどうしても、どうしても、ど〜うしても!セックスがしたい!でも、次の授業まで残り五分しかありません!どうしますか?」
ふざけた質問だ。
だが、答えは一つしかないだろ。
「我慢する」
「絶対に無理だね」
「俺なら出来る」
「無理だよ。性欲モンスター化したんだから、一秒だって我慢出来ないよ。授業中に私のことを襲う羽目になっちゃうよ?」
「……」
それを言われると俺も自信が無い。
仮にそうなった場合、クラスメイト達から一体どんな目で見られるのか。想像しただけで死にたくなる。
「どう?考えておいても悪くはないでしょ?」
「……そうだな」
俺が頷くと朋香は「ふふっ」と笑い、
「そこで一つ、簡単に解決出来る方法があるんだけど、知りたい?」
「あるなら早く教えてくれよ」
「私を見て欲情したらキスとかの過程をすっ飛ばして直ぐに脱がせて挿れれば良いだけ♡」
俺は枕を掴んで朋香の顔面に向かって投げた。
「そんな挿れるだけのセックスに何のロマンがあるんだよ!」
「一丁前にロマンなんて言葉使っちゃってさ。やっぱり、おっぱい揉みたいの?揉みながらセックスしたいの?」
「揉みたいに決まってんだろ!」
「そこは堂々と宣言するのね……」
思わず朋香は苦笑いをする。
「当たり前だ!そんなセックスは絶対に認めないからな!」
「そっか、それならしょうがないね……とりあえず、今はおっぱい揉んどく?」
「……揉む」
「ほんとに好きなんだから。はい、どうぞ♡」
呆れた表情をしながらも朋香は俺に胸を差し出した。
俺は躊躇うことなく揉み、朋香は甘い声を出す。
朝から何をしているのだろうと心の中では思っているのだが、朋香の裸を見てしまうと逆らえないから困ったものだ。
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朝からイチャイチャし過ぎですね。
でも、ラブラブなのは良いことです。
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