最弱の王〜俺だけ特殊条件な件
新田光
序章 ゲームスタート
「これでラストだー」
GAME CLEARの表示と共に、木山蓮はVRMMOゲーム百種類抜きを達成した。
その実績と共に報酬として、賞金百万円を株式会社シャドーから受け取ったのだが、この出来事はもう一年も前のことになる。
ユニークスキルだけを駆使し、後は現実世界の知識、技術だけでゲームが行われる。もちろん、HPという概念もなくなり、プレイヤーの心臓部分に存在している核を壊すことによって、勝敗を決めるゲームシステムが
このシステムのメリットは、現実と同じような緊迫した状況をゲーム内で疑似体験できるということ。HPがないため、核さえ壊されなければ永久的に戦うことが可能になるという点だ。
しかし、デメリットも存在しており、攻撃力、防御力が存在しないので、現実の力がゲームに反映されてしまう。しかも、核が壊されれは一撃でゲームオーバーになる可能性もある。
それでも、メタバース空間を現実とできる性能が若者たちにヒットし、これを機に核をゲーム内に搭載しているゲームメーカーは多数存在している。その発起人となった会社がシャドーというわけだ。
蓮はシャドーの大ファンだ。この会社が発売したゲームは全てをプレイしていて、今回も一ヶ月で新作のゲームをクリアしてしまった。
そして、一年の時が経ち、シャドーは新たなゲームを発売した。そのゲームの名は、
「デッド・エンド・オンライン。通称、『DEO』ね」
『勝ち取れ!自らの運命を!』をキャッチコピーに、デスゲームを体験できるという画期的なゲームだった。しかし、敗北しても実際に死ぬのではなく、アカウントが消失し、このゲームに永久的にログインすることができなくなるというだけ。
そのゲーム性に蓮は惹かれた。
彼はラノベ、映画などでデスゲームに興味を持っており、実際に参加してみたいとも思っていたのだが、死ぬのは怖いのでそういったことを体験できる媒体を望んでいたのだ。
このゲームは彼にとってはドンピシャだった。もちろんやらない手などなく、早速購入して、ログインしてみる。
『デッド・エンド・オンラインの世界へようこそ!』
アナウンスの声の後に、お決まりのキャラメイクが始まるのだが、シャドーのゲームはアカウント連動が可能なので連動させてもらう。
前に使用していたアバターの外見は、黒髪の短髪に地味な外見。現実と同じ格好だ。唯一、現実と違う所は、百七十センチ後半の高身長という点で、現実と十センチ以上高く設定している。
なぜ、現実と似た外見にしたかというと、核を使用したゲームは、より現実を体験できるため、理想通りに生きられるゲーム内で本来の自分でいたかったのだ。
アナウンスの前に立つ。すると、
『では、ゲームを開始する前にルーレットを』
と、言われた。
シャドーお得意のルーレットでのユニークスキルの選択。完全にランダムで、運が求められるが、それがまた楽しくてしょうがない。
そして、言われた通りにルーレットを回していくが……
『アナタのユニークスキルはコンティニューです』
「え?」
そんなことを言われ、彼はデスゲームで無敵のスキルを手に入れた後、ゲーム内へと放り込まれたのだった。
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