私が一番好きなのに
@akasiba
第1話
『こんにちは〜!僕たちCOLOR!よろしくお願いします〜』
6人のイケメン達が深く一礼をしてライブが今日も始まる。聞き慣れた挨拶と見慣れた面々。でもやっぱり推しが出てくると胸がときめく。このために生きている、と体中が熱くなる。それは周りの奴らも同じのようで友達と喜びや熱を会話によって共有している。正直うるさい。推しの声以外聞きたくない。よそでやってくれ。私にはそんなものを共有する友達はいない。元々はオタ友がいたのだがちょっとしたすれ違いやいざこざによって仲が悪くなってしまった。担降りした報告を受けたのは2年ほど前。1人でライブに来るのももう慣れてしまった。
お決まりの挨拶から始まったライブは何度もライブで見てきたセトリで進んでいく。今日のライブはツアーの最終日。全通することができた私は次の曲がなにかも完璧に覚えている。どこにいたら視線がもらえるかもどこからならよく見えるのかも全部把握している。どこでコールをするのか、ペンラの色を変えるのか。たくさんの現場をこなしたこの体にしっかりと刻み込まれている。
大好きな推しが歌って踊って話して。これ以上ない幸せに推しが思わず涙したとき私も泣いてしまった。周りのオタクには白い目で見られたがそんなことは気にならない。私と推しだけの世界。同じ感覚を共有している。幸せだ。これがずっと続けばいいのに。
私の命を救ってくれた推し。あなただけのために努力して今ここにいるよ。大好き。
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