航海第二日目 苦痛

(平成11年9月11日〔土〕曇りのち晴れ)

 走り続けているうちに日付が変わった。いくら走り続けても望月氏の家に着かない。ここで私は重要なミスに気がついた。私は彼の家の所在地を知らないのだ。これでは望月邸に辿り着けるわけがない。うっかりしていた。


 ちょうど、そう考えていた時のことだった。右足で地面を蹴る際に足の横を使ってしまい、足を挫いた。あまりの痛みにのたうち回る。そして、飛び上がり、火を吹いた。

 一連の苦痛の表現の後、私は右足を見た。膨れ上がっている。どうやら捻挫ねんざのようだ。

「またか」

 私はそう思った。ほんの2週間ほど前にも捻挫していたのだ。それはそれとして、治療することにした。このままでは、歩くことも大変だ。


 私は右足の膨れ上がった部分を掴み、取り外す。これで痛みはほとんど消えた。これで一安心。しかし、そう思ったのも束の間、右足に新たな変化が訪れた。右足が光りだす。 


(三日目につづく)

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