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「みんなに言っておくことがあるんだけど、ザードさん辞めるってさ」

「はい。今Nさんから説明があった通り今月か来月で退職します。お世話になりました」


「ほえー、寂しくなるなあ」とか会話した後、朝会は終了となった。


その後、自社のHさんからチャットが飛んでくる。

「やっぱこの現場がストレスだったの?」

「属人化が物凄い上に聞かないと異常系を教えてくれませんからね。いくつもアプリケーションを作成していますが、それが正しいことを保証しろと言われたら無理です。ユースケースもないので全貌がわからないし、そもそもどれが正常系なのかもはっきりしていません」

「だよね」

「何がアレって客先の社員もユースケースやそういった類を知らないんですよ。属人化し切ってるので担当が知らないことは分かりませんでおしまいなんです」


 その後労働しているとまたNさんからチャットが飛んできた。

「しかしザードさんがいないとSさんの教育が難しくなるなあ。あの人直属の上司がHさんなのに、何故かHさんではなくザードさんから学びたがってるし」

「Sさんに関しては何とかしたかったです」

「頭硬いからなあ……すぐには無理だったろうね」

「彼、以前0を入れるとソフトウェアがバグる場合があるって言われて驚いていたんですよ。スクールでそれくらいはやっているはずなのにです。恐らくはSさんの中でコーディング時にゼロ割に注意することと、テスト時に0を入れることが結びついていません」

「ほんと頭硬いよなあ」

「頭自体はいいですよ、彼。英語ペラペラですし。だからこそ何でこんなのなんだって感じなんですが」


 そんな話をしつつ、ザード@は上手いこと作業を終わらせて引き継ぎ作業もして残りは適当に過ごそうなどと考えていた。

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