美月と灰原

ヒーローが、家に来る日電話が鳴った。


「もしもし」


「久しぶりやな。灰原やけど」


「何で番号しってんねん。」


「同窓会の紙からパクった」


「もう、お前には会わへんよ」


「美月の姉ちゃんの子供って、美月に似て綺麗やな。やっぱり、血の繋がりってやつなんかな?」


「奈美姉ちゃんには、近づかんとってくれや。」


「双子の姉ちゃんの話、教えてやるから明日、言う場所にこいや」


「わかった。今、書くから、後、奈美姉ちゃんの子には、絶対てえだすなよ」


俺は、電話を切った。


イライラする。


何で、またあの日々から解放してくれないんだ。


次の日ー


朝から俺は、起きていた。


スマホのメモに住所をうつした。


めんどくさい。


でも、行かなきゃな。


俺は、タクシーを呼んだ。


待ち合わせは、11時。


「みっくん、どっか行くん?」


「ああ、ちょっと用事。おかん、休みか?」


「休み、はよ帰ってきーよ。おかん、今日ハンバーグするから」


「また、こっちゃんの好物か」


「なんかね、あの子。こっちゃんに似てたから」


「あの子って、どっち?」


「心春君やんか」


「心春が、こっちゃんに似てるの?」


「うん、お母ちゃんにはそう思ったんよ。秋帆君は、みっくん守る時のこっちゃんにそっくりやったわ。あの二人はこっちゃんやな」


「なんやそれ、意味不明やな」


「ハハハ、お母ちゃんの勝手な考えやから、気をつけて行きよ。早く、帰ってきてよ」


「わかった。」


そう言って俺は、家を出た。


おかん、帰ってこんかもしれん


ごめん。


タクシーに乗った。


50分程かかって、指定された場所についた。


少し早めについた。


ブラブラしながら、歩く。


そこに、コンビニがある。


「早いね」


灰原に声をかけられて振り返った。


「はい、コーヒー」


渡されたコーヒーを受け取った。


灰原は、部屋の鍵を開けた。


なんもない部屋だ。


「引っ越したんか?」


「一昨日な。借りてるだけやけど」


「俺に、近づくためにきたんか?」


「ハハ、話しが早いな。相変わらず綺麗な顔やな。」


「触んな」


「美月のヒーローは、ここにはおらん。って、事は俺の好き放題やな」


後ろから、抱き締められた。


「離せ、用がないなら帰るわ」


「こっちゃん、やったっけ?双子の姉ちゃん」


「きやすく呼ぶなや」


俺は、胸ぐらを掴む。


「まあまあ、美月の姉ちゃんの話をしようか」


俺は、灰原から腕を離した。


「美月が、公園のトイレで俺等に色々された日の後やな。俺等のとこにきたんやで。虎太朗ちゃん」


「は?なにしにや」


「もう、みっくんに近づかんといて、みっくんにあんな事せんといてやって。俺等は、無理や言うたんやけど。佐々木が、俺のう事聞くなら約束守ったるわって俺等は帰らされた。」


「なんで、助けてくれんかったんや?」


「佐々木に歯向かったら俺等がやられる。怖かったから出来るわけないやん。佐々木は、お前に嫌がらせしてたんは虎太朗ちゃんが好きやったからやで」


ふざけんな、気づくと床を殴っていた。


「4月5日、午前10時。あの公園に呼ばれた俺等の前で佐々木は、もう美月はいらんから抜けるわって言ってきた。なんでや?って聞かれた佐々木は、こっちゃんが俺を受け入れてくれたんやん。だから、もういらんって喜んで笑ってた。」


俺は、苛立ちが我慢できなかった。


「殺す、殺したる、俺が殺す」


「俺を殺してどうなるんや?」


「知るか、ボケ。お前も一緒や」


壁や床をバンバン殴り付けて、灰原を押し倒した。


馬乗りになって、灰原を何度も殴りつけた。


「お前が、殺らなアカンのは佐々木やろ」


「しらん、全員やお前から殺る」


殴っても、殴っても足りない。


足りない。


俺は、ギリギリと灰原の首を絞めていく。


こっちゃん、俺がちゃんと殺ったるからな。


敵とったるからな。


待っとけよ。


「みっくん、やめて」


えっ?パリン…ガラスが割れた音で、窓に向かった。


こっちゃん、何でおるん?


鍵を開けた。


入ってきたのは、秋帆やった。


俺は、秋帆に何もかも打ち明けて眠ってしまった。



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