白の城の兵士の日常
仲仁へび(旧:離久)
第1話 カぺル・マルテン
白亜の城 廊下『+++』
カぺル・マルテンは白亜の城に勤める一般兵だ。
彼女は、几帳面な性格である。
そんなカぺルはいつも真面目に勤務している、上司や同僚からも一目おかれる存在だった。
しかしだからこそ、他の兵士のまとめ役として、面倒に巻き込まれる事も多かった。
カペルは、その日もそうだった。
彼女の頭を悩ませているのは、同僚の兵士であるディーク・ハイマンだった。
廊下を歩いていると、視線の先に件の同僚。
カペル「ディーク。そんなところで何をしているのです」
ディーク「ぎくっ!」
無視するわけにはいかない。
先にいるのだから。
ディークが隅の方でしゃがんでいるのを見かけたので、カペルは声をかけた。
そしたら肩をゆらしたディークが、ぎこちない挙動でぎぎぎと振り返る。
ディーク「こっ、これはカペルさんではアリマセンカー。いいい良い天気デスネー」
声が思いきりうわずっていた。
冷や汗をかきながら、唐突に天気の話題について口に出すディーク。
彼の様子は明らかにおかしい。
カペル「ディーク」
カペルが覗き込むと彼の手元には、果物箱に入った小さな生き物達が「みゃーみゃー」と鳴いている。
カぺルは、白い目を向けた。
ディーク「な、ナンですカ?」
カぺル「捨ててきなさい」
ディークは知っているはずだ。
この城はペット持ち込み禁止だと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます