突撃隣の薫子さん

ハァイ!わたし薫子!

ハアーイ!わたし薫子!ちょっとマッチョなどこにでもいるオネェよ!


突然だけどわたし、死んじゃったの!

車に轢かれそうなネコチャアンを助けようとして‥‥

気がついたら幽霊?霊体?とかってやつになってたわ!

でもネコチャアンは無事だったからいいわ!

メソメソしてたって生き返るわけじゃないしね!


本当は成仏?とかってしなきゃいけないんだろうけど、ひとつだけ心残りがあるの。

私の唯一の親友のこと。

あの子ったら、なんていうか、とても落ち込みやすいのよね。

イケメンにふられただとか、最近髭が濃くなっただとか、「やだー、私もよー」なんて言いながら、プロテインを飲みつつ悩みを聞いてたわ。

あの子、私がいなくなっても一人でやっていけるのかしら。


‥‥あら、知らないうちにあの子の家まで来ちゃったわ。幽霊の習性かしら?

アラヤダ誰かいるわ。彼氏?邪魔しちゃ悪いわね。

‥‥ってヤダ!アンタ悪霊とかいうやつじゃない?!最近あの子が調子悪かったのアンタのせい?!?!

‥‥は?自分と同じようにしてやる?

ふざけんじゃないわよ!!自分が不幸だからって他人のことも不幸にしようだなんてサイテー!!!目を覚ましなさい!!!

筋肉イズパワー!!!!


大胸筋!三角筋!!上腕二頭筋!!!

第円筋!!菱形筋!!!上腕三頭筋!!!!!セイッ!!!!!!!!!!


‥‥アラ?なんだかキラキラした粒子になって消えちゃったわ‥‥成仏したって事かしら。なんにしてもこれであの子は安心ね。


あっわたしもなんだかキラキラしてるわ‥‥そうね、わたしも成仏しなきゃ。心配事は無くなったしね。



「‥‥っていう夢を見たのよ〜〜!」

「やだー薫子ストレスたまってんじゃない?!」



*******************


「良かったんですか?彼女にあのまま地上の魂を回収してもらえば良かったじゃないですか」

「そうなんだけどね〜ちょっと力が強すぎるんだよね〜〜。あと霊界に彼女を受け入れる土壌が無いんだ〜。彼女が寿命でこちらに来るまでに法整備しようって話になったんだよ〜」

「なるほど。‥‥しかし間に合うんですか?」

「彼女150歳まで生きるよ〜」

「はぁ‥‥」


キキーーーーッ!!!ドンッ!!!!


「アラヤダ。また幽霊になってるわ。これも夢かしら?」


「‥‥」

「‥‥」

「じゃっ、御手洗みたらいくんあとは頼むよ!」

「えっ、あっ、上司!!!逃げんな待てやコラァ!!!」







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